0-⑧
洞窟の前には、村人が皆、薄暗い灰色に染まった空にむかって、祈りを捧げたポーズで事切れていた。もちろん中央には両親の姿があった。
俺は泣いた。後悔が津波のように押し寄せ、いつまでも涙を止めることができなかった。
そうして泣いていたのは、1時間だったか?それとも1日だったのか?時間の感覚が全くなくなるほどに泣き尽くしていた俺は、ふと背後に気配を感じて振り返った。
そこにいたのは、ユダさんだった。姿形は、俺がかつて兄のように慕っていた姿そのままだった。だが、表情だけが、この村人すべてが事切れているというのに、満面の笑みを貼り付けている悪魔のようなその表情だけが異なっていた。
そして、その悪魔はニヤニヤしながらこう言った。
「ふふ。どうです?あなたの助けになったでしょう?古い悪習はすべて破壊され、これからは新たな世界の始まりです。」
「いつから知っていた…?どこまで知っていたんだ!」
「もちろん、最初から。全てですよ。魔王様を復活させるためのね!ハハハハハ。あなたは本当に思い通りに動いてくれましたよ!まさかここまでうまくいくとはね!」
「くそ!!」
俺は持っていた鉄の剣で切りかかるが、簡単に避けられ…
「本当にあなたには感謝していますよ。お礼に…一息で殺してあげましょう。『ーーー』」
ユダはそう言うと、大きな魔力の塊をぶつけられた俺の身体は、宙を舞い、意識を失った。
………
……
…
゛その日、世界からは色が消えた。
大地からも、海からも、空からも。
あらゆる生物からも、無機物からも。
魔王の手により、三神の加護は失われ、
そして、全てが灰色となった。゛
ハイニナルクエスト M&Ms @MandMs-1989
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