終幕

最終話 物語の終わりと始まり

【勇者を目指す少年】の物語はここで終わっていた。


まだまだ続くページは全て白紙だった。


「申し訳ありません。少し困ったことになりました。」


フードの人物が申し訳なさそうに、話しかけてくる。


「この活字だけの世界で、読み手の意思を物語の主人公たちに反映するのに限界があるようなのです。


私も自らの世界を出て、別の世界に干渉するのは初めてなもので、どうか許していただきたい。


ですが、ここまで物語を読み進めていただいたあなたに、是非救っていただきたい物語があるのです。」


これは…どういうことだ?


この謎の人物は、そもそも何故、自分に語りかけてくるだろうか。


「そこには、これまで読み進めていただいた物語の続きの世界が広がっています。


その物語を、どう読み進め、どういう結末を迎えるかは、あなたの行動次第です。」


続きの世界?


自分の行動で結末が変わる?


次々と疑問が出てくるが、目の前にいる謎の人物にどう話しかけて良いのかわからない。


「ああ、もうこの場所に私が干渉できる時間が無くなってしまいました。


詳しい説明を行えず申し訳ありません。


もしもあなたに、ウーヤンやカナ、ウニイカたちがいる世界を救ってくれる意思があるのなら、どうか彼らを導いてあげてください。


彼らがいる物語への扉を開けておきます。


https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm23693?key=4448f3f1dd43&link_in=gamepage


この文字の羅列はあなたを Heroes SAGA の舞台へと導く呪文になっています。


あなたの世界にある技術、ウェブブラウザを使って訪れてください。


そして、どうか、私のいる世界を滅びの運命から救ってください。」


そう言い残して、目の前にいた謎の人物はいなくなった。


今まで自分がいたはずの本に囲まれた空間も、先程まで読んでいた物語も全て無くなった。


後に残ったのは、ウェブブラウザを見つめ、ふと我に返った自分だけだった。

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Heroes SAGA 〜Hakuna Matata Fantasy〜 @LyleS

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