思い出の時間は写真の中に、彼らの時間は続いていく

桜の木の下でシャッターを押す彼の姿が思い浮かびました。人間嫌いでどこか諦観している主人公と、逆に人が好きだからこそ主人公に興味を抱いた後輩のやりとりが、春先の風を思い起こさせます。短編ですが、彼らの一年は満ち足りていて、その先を想起させる最後の一行に続いているのがとても良かったです。