第3話 ダメンズAでも容赦なかった。
今でいうならば、相手の本性が自分の物差しでピントが合えばコンタクトするよね。
付き合った経験が無かったからこそ、初めての彼氏には疑い方がしっかり地に足がついて無かった。夢見ていた。
公務員、見た目は普通より誠実、収入はこれから上がっていくスタンスにいる。
身長170以上、普通体型って自己紹介にあれば、一応見ておこうかなと。
これがダメだった。
しかも会ってみたら、真っ白な肌に沢山の数のシミをばら撒いた、切れ長の目。
あたしは、無謀すぎるの分かっていて、いろんな意味を含めて自分の初めてという数々の種類の経験をこの男と、成した。
今更だけど、髪が薄いなんて、、、、、。
服着たら、普通体型だけど、脱いだら胸がフワフワ柔らかい筋肉ゼロ男とは。
5個も年下の私からきっちりと割り勘して、奢らないところが、、、、、。
公務員でも給料がOL以下とは。
せこいって、長く付き合いたいとは思わないのは、自分の器が小さいの?
男の人にチヤホヤされたいし、尽くされてみたかった。
尽くすのが、なんでもかんでもという訳でもないけど初彼氏に対する要望が分厚かったのは、数年後に自分の考え方を客観視した時に気付いた。
(だって、年上でしょ!)と(なんで男のくせにこんなことも出来ない?)それらの繰り返しで、現実を飲み込むのにかなり時間が経った。
ダメンズAは、ストーカー気質だった。こっそり私を見張ったり、執拗に離さなかったり、会う約束してなくても目の前に現れていた。
浮気を疑われていたわけでは無くて、ただただ一緒にいたがる。
16年以上も前だと、今ほど世の中には、(ストーカー)という言葉が浸透していなかったから、今時期に彼と付き合っていたら間違いなく、危ない人だし近づかない。
当時は愛されていると錯覚したんだ、本当にお花畑の頭をしていた能天気な自分。
でも、やっぱり相性というのは段々と明確になってくる。
体の相性も心の相性も、いろんな価値観のズレが別れる日を結びつけた。
この人以上の男性に出会って、一から恋愛をスタートさせてみたい。今までのは悪夢なんだから。忘れる方がいいんだ。
幕を下ろすのも、中々スムーズにはいかなかった。
何度も彼は必死で別れを阻止しようと、デザートや花束で心を掴もうとしてきた。
それなりに耐えてきたしチャンスを与えたしやり直しもしてきた。これじゃいけないのも分かる。何か、この人に納得のいく解決策は、と必死になって考えた。
感情論では終わりにすることが出来なかったから、少し無茶な内容を提示した。
寒くなってきた10月の終わりにその話を持ちかけた。
「クリスマスイブまでに、今の仕事場で昇格して。必ず。向上心の無い人、結果を出せない人とは、将来への希望も出せないし結婚とかも出来ない」
「出来なかったらどうなるの?」
「その時は別れる。未来を約束できる人とわたしは付き合っていきたいから」
長らく間があったけど静かに首を縦に振った。
ドラマの見過ぎと、マンガの中のヒーローは必ずこの世にも存在すると疑わない夢。
きっと令和を迎えた今期もどこかにいるのだろう。
初彼にいろいろと妄想吹っ掛ける少女。今のこのご時世なら、恋人デビューを人間では無くて二次元に求める、とかも。
逆も然り、女に夢見ない、植物男子。草食通り超して養ってもらって、成長させてもらって生きていくのを恥じない男子。
男のあるべき姿、女のあるべき姿が世間の考え方も変わりつつある(今)にもう、期待をしては、いけないのに。
シンデレラは疫病神に愛されている メリメリィ女帝 @ytyt1201
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