僕がみる世界
彩羽
第1話
【ぴぴぴ ぴぴぴ ぴぴぴ】
【カチャ、】
朝、アラームの音で目が覚めた。
僕の名前は朝倉勇星(あさくらゆうせい)
中学3年生。東京都に住んでいる。
お母さんは僕が中学1年生のころに病気で
亡くなった。今は、お父さんと2人暮らし。
動きたくないと言っている体を一生懸命起こしてベットから降りた。
カーテンを開けて外を見てみると、
晴天だった。 心が痛い。
『お母さんが亡くなった日もこんな風に
晴れてたっけな。』
昔から、当たり前に居たお母さんが
ある日突然居なくなった。
普通じゃありえないよな。
お母さんが太陽の下で亡くなってから僕は、
「晴れ」が嫌いになった。
お母さんが居た時を思い出してしまう。
僕はまだ中学3年生なんだ。
なにもできないちつぽけな子供なんだ。
そんな簡単に受け入れられないんだよ。
ごめんね、、僕は、お母さんを恨んでいる。
あなたが、生きてさえいれば良かったのに
なんで、先に行ってんだよ。
『置いて、行くなよ』
たしかに恨んではいるが、仕方のないこと。
お母さんだって、生きたかったはずだ。
今更、どうすることも出来ないのだ。
とりあえず、部屋を出て一階に降りた。
洗面所に向かい、顔を洗った。
冷たい水が顔にあたって一気に目が覚めた。
『冷たい』
洗面所から出てまた部屋に戻る。
制服に着替えて鏡の前に立つ。
今は、夏。
蝉の声がうるさいぐらいだ。
それでも、そんなことは知らない。
どうでもいい。
僕には関係のないことだ。
目を瞑って深呼吸をする。
ゆっくりと目を開けて鏡に写っている自分の顔を見つめる。
お母さんよりもお父さんに似た僕の顔。
お母さんに似ているところってどこだっけ?
僕の記憶からゆっくりと、でも、確かに
「お母さん」という存在が消えて
行っているのだ。
お母さんの好きな食べ物や仕草、笑顔でさえ
最近は思い出せない。
思い出せないのか、
思い出そうとしていないのか、
僕にはわからない。
お母さんは、僕にとってどんな存在なのか。
お母さんが居なくなれば、
僕が死ぬわけではない。
どうやら「必要」ではないようだ。
大切な存在??
でも僕は、お母さんがなくなった時
泣かなかった。
なんなら、お父さんの方が辛そうだった。
僕にとって、お父さんにとって、お母さんとは
どんな存在だったのだろう。
ふと時計をみると学校に行かなければならない時間になった。
【ピーンポーン ピーンポーン】
家のインターホンがなった。
机の上に置いてあった鞄を持って一階に
降りた。
玄関に置かれているお母さんの写真に
『行ってきます』
と、一言いい家を出た。
ドアを開けるといつもの光景。
青空、太陽、海、山、
そして、逞真(たくま)。
逞真は幼馴染って奴でとても仲がいい。
昔からよく一緒にサッカーをしていた。
僕と逞真は部活はサッカー部に入った。
強豪校で1年生2人、レギュラーになって
一年、二年と全国一位になった。
今は3年生。
逞真はまだサッカーしてるみたいだけど
僕はもうやめた。
まぁ、そんなもんで、僕はやめたんだけど
逞真とは仲良くて毎日一緒に学校に
行っている。
『おはよう』
逞『おはよ!』
僕とは真反対な逞真は明るい声でいつも
言ってくる。
逞『朝ごはんは食べた?』
『食べてないけど』
逞『ほれ、』
『ありがと』
食べてないと言うと逞真がいつも
パンをくれる。
パンを食べながら学校に向かって歩いた。
しばらく歩いて学校に着くと、逞真は朝練が
あるから、と、部活に行った。
逞真に合わせて行っているから部活を辞めた僕は教室に一人で向かう。
3-2。僕は窓側の席の1番後ろ。
鞄から一冊本を出して開く。
この時間は僕にとって必要だ。
毎日のルーティン。
1人でゆっくりとした時間。
この時は本に集中できる。
30分ほどすると、たくさんの人が教室に来た
本を閉じて鞄に入れる。
教室をでて保健室に行く。
教室から保健室までの廊下ではしゃいでいる
男子がうるさい、、、
やめろ、やめろだまれ、
早足になる。
【ドンっ】
『はぁ?』
低い声が思わずでた。
男子『やべっ、』
男子『あやまってこいよ』
男子『お前が行けよ』
話し声がする方に目を向ける。
3人の男子生徒がいた。
おそらく、鞄を振り回していて、
手から離れて僕の頭に当たったのだろう。
いてぇ、
僕がみる世界 彩羽 @irohallllllllllll
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