第7話

「まさかさきが同じ学校だったとはな。見たことあると思ったが」


「私この学校じゃ地味な格好してるから気づかれるとは思わなかったよ」


ぼっちだから観察するのは得意だ。これで渚も同じ学校だったら運命的なんだが。まぁそれはないか。渚は頭良さそうだったし、東京の進学校に通ってそうだ。


「それでさきは何でそんなに地味な格好してるんだ?」


「モテても女子に嫌がらせをされるだけだからだよ。だからできるだけ目立たないようにしてるの」


モテると嫌がらせか。そこはイケメンと美少女の違いか。イケメンなら同姓からも好意的な目で見られるからな。嫉妬で嫌がらせを受けたりはしない。ちっそう思うとイケメンが特級階級に感じる。イケメンなんてくだけ散ればいいのに。俺は思い出したクラスメイトのイケメンに呪詛をはいた。


「そうか、大変だな美少女も」


「それじゃこの後予約入ってるから私帰るね。じゃあね」


「じゃあな」


さきは早足で帰っていた。やっぱり予約一杯なんだな。楽しかったし次の予約でもいれるかね。俺は駅に着くと、サイトを開いた。うわめっちゃ予約入ってるじゃん。やっぱりさき達はモテているんだな。渚も一杯だし。二人揃ってとるのは厳しそうだ。この日ならさきは空いてるのか。この日に入れよう。俺は一週間後の唯一空いている平日の昼間に予約をいれた。この日はあれだなうちの高校の創立記念日だな。


俺は楽しみにしながら、電車が来るのを待った。そして櫻坂の曲を聞きながら待っていると、電車が来たのでそれに乗った。後一年か、その間満足して死ねるように青春を送れるように頑張ろう。


そして一週間後さきとデートする日が来た。俺はこの日のために悠香さんに服を選んでもらった。制服デートもいいと思ったが、放課後じゃなければデートしている感じにならないので、私服を選んだ。それと今日は俺の庭とも言える秋葉でデートだ。待ち合わせ場所は駅前だ。さきほどの美少女なら周囲の視線で分かる。


楽しみすぎて30分前に来てしまったが、美少女とのデートなんだそれくらい早くてもおかしくない。むしろ待たせる方が悪いから早く来る方が常識だ。


すると周囲が騒めきだす。恐らくさきが来たんだろうな。


「おはよ隆弘くん」


周囲の視線をなんとも思わないで、俺に手を振りながらやってきた。周りの男どもはなんであんなやつが美少女をつれてるんだよといった視線を感じる。まぁお金払ってなきゃ俺がこんな美少女をつれられるはずないからな。もしつれたいならお金持ちになることだなはは。


「秋葉だったら俺のおすすめスポットをたくさん紹介できるからな」


「秋葉は女子一人だとナンパされるからあんまり来たことなかったんだよね。アニメは好きだけど」


お、まじか。アニメ好きなのか。それなら難色を示さなかったのも分かるわ。普通の女子なら秋葉は行きたいと思わないからな。てっきりデートは断らないタイプなだけかと思ったんだが。


「それならアニメイトは知ってるか?」


「松戸のならよく行くよ。たしか秋葉はアニメイトが二つあるんだよね?」


「ああ、そうだ。まずはアニメイトから行くか」

 

「楽しみだなー。本場は行ったことなかったから」


俺たちは目的地が決まったことで、歩き始めた。さきが気に入るアニメってなんだろうな。鬼滅の刃とかかな。意外にマイナーなアニメを好きだったりしてな。好みによって紹介できるアニメが違うから楽しみだったりする。


「さきはどんなアニメが好きなんだ?」


「学園系かな。物語シリーズとぼくは友達が少ないとかが好きかな?」


ひねくれ主人公系か。それなら俺の青春ラブコメは間違っているはおすすめできるな。ぼっちからのハーレム系の学園ラブコメの最高峰だしな。


「それなら俺の青春ラブコメは間違っているとかおすすめだぞ。主人公はひねくれているが、誰にでも優しいし、問題の解消方法がそう来るかといった感じで面白いし、一人でなんでもできちゃうところがおすすめだ」


「へぇー面白そうだね。グッツとラノベがあったら買ってみるよー」


それから好きなアニメの話をしていた。友達ってこんな感じなんだろうか?友達できたことないから分からないけど。だが好きなアニメを語り合えるってこんなに幸せなことだったんだな。オタク友ってこんな感じかな。普段はアニメの話しとかしないんだろうけどな。アニメを好きでもこれを使う人にこいうの言うのはダメだとか先入観がありそう。


そんなことを話してるんだが、嫉妬の視線がすさまじい。そんなに美少女と話したければナンパでもすればいいのに。ナンパで成功できる女子でこんなにレベルの高い美少女はほぼいないだろうが。それだけさきのレベルは他の女子とはレベルが段違いだ。


「お、着いたみたいだ」


アニメイトとでかでかと看板が立っている。やはりアニメイトの前に来ると、オタクである俺は興奮を隠しきれないな。それだけ秋葉のアニメイトはいろんなグッツが置いてある。俺たちはワクワクしながらアニメイトに入っていった。




































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青春代行 作家目指すもの @Ronisei

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