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僕は冒険者ギルドへ行って仕事を探すことにした。
村にいる時に村長様から聞いた話によると、冒険者ギルドでは冒険者として登録をすれば、様々な仕事を斡旋してもらえるとか。モンスターと戦うような依頼は受けられないけど、雑用とか僕にでも出来る依頼だってきっとあるはずだ。
――というわけで、僕は道端に設置されている町の案内図を見て、冒険者ギルドへ向かったのだった。
◆
冒険者ギルドに入ると、そこは教会堂の内部のような広いスペースになっていた。そしていくつものテーブルがあって、それぞれ冒険者の皆様が雑談を交わしている。
鎧を身に纏った戦士やローブを着た魔術師、肌を露出して身軽そうな盗賊っぽい人――とにかく老若男女も種族も問わず、たくさんの冒険者がいる。
その間を僕は恐る恐る通り、奥にあるカウンターへ辿り着く。そこでは受付係らしいお姉さんが何かの書類を処理していて、僕に気付くと手を止めて顔をこちらに向けてくる。
「おや? いらっしゃいませ。仕事のご依頼ですか?」
「いえ、あの、冒険者としての登録をしたいんですけど」
「そうでしたか。見た感じ新人さんですね? 登録には紹介状が必要なんですけどお持ちですか?」
「紹介状?」
「貴族や領主、ギルドが認めた有力者、当ギルドの関係者などの紹介状です。要するに身元保証人を示す書類ですね。何か特別な実績があれば例外として紹介状なしで登録も可能なんですけど、あなたはそんな感じじゃないですもんね」
「うぐ……」
受付のお姉さんの遠慮会釈もないストレートな言葉が僕の心に突き刺さる。
確かに僕には何の実績もない。見た目にも屈強さはないし、知的な感じもない。だけどもう少し気を遣ってくれてもいいなぁと思う……。
「紹介状がないなら、申し訳ないですけど登録は出来ません。ただ、ギルド内は誰でも利用可能なフリースペースになっているので、出入りや休憩は自由にしてただいて構いません。もしかしたらですけど、ここにいれば誰かからパーティ加入のお誘いがあるかもしれませんよ」
「えっ? あの、もしパーティ加入が決まったら、その冒険者さんの紹介でギルドに登録って出来たりしますか?」
「もちろんです」
紹介状が必要と聞いてギルドへの登録は難しいなと思っていたけど、そういうことなら微かだけど望みはあるかもしれない。
ただ、何の力もない僕をパーティに加えてくれる冒険者がいるだろうか?
そもそも僕はおカネが必要で、そのためにギルドへ登録して仕事を斡旋してもらおうと考えていた。別の方法でおカネを手に入れることが出来れば、ギルドへの登録にこだわらなくてもいいんだよなぁ。
――さて、どうする?
●ギルドへの登録を諦め、持ち物を売っておカネを作る……→31へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927859115438262/episodes/16816927859116882399
●とりあえずギルドで休憩する……→2へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927859115438262/episodes/16816927859115729472
●ギルドで仲間を探す……→4へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927859115438262/episodes/16816927859115856441
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