最後

私は勘当された。死なないでくれと両親に泣かれた。少なくとも成人するまでは酒は飲まないと誓った。


約束は守っている。成人を迎えた今も特別なとき以外は酒を飲まない。私が死んだら代償が大きすぎる。家族もペットもいて、恵まれて育っているのに無責任だった。


今、なんのために生きているのか答えは出てこない。生きる事っていうのは本当は無駄なことかも知れない。ただ、それを確かめる前に自ら死ぬのは愚かだと考えている。私の世界は年々大きくなりつづけている。世界中の殆どの人が私を必要としていなくて寧ろ邪魔だと思うかもしれない。事実そうだとしても、生き延びることに価値はある。私を思ってくれる人のために。一瞬でも支えてくれた人のために。私が生きるために犠牲に失くなった命のために。

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人生最高の日 ゆうひ @pcscmania

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