第5話 不気味

「TEOGAどう?」


奇妙な質問を、

ホソに投げかけるのだった。


『"堕天快楽"Dickman』


ホソは目を細め、

眼前の青年の名を呼んだ。

青年ーーーDickmanは、

嬉々とした表情で

こちらに近づいてきた。


「僕に何か用?」


『喜べ、お前を師団「ヒ・ィガァモ」

に招待してやろう』


ホソは表情を崩さず、Dickmanに

取引を持ちかけた。

Dickmanはしばらく悩む

素振りを見せると、


「なら、僕に最高級のTEOGAを用意してくれよ。そうすれば、その師団とやらに快く入ってあげよう、」


己の欲望を、絶対的存在であるホソに

何の躊躇も無く要求した。


「……ほう。この俺に要求を求めるか」


肝が座っているのか、

はたまた只の馬鹿か。

どちらにせよ愚かな行為に他ならない。


「対価は、お前の命の保証だ」


ホソは尋常ではないほどの殺気を放ち、

Dickmanを牽制した。

ホソの殺気は、老練の魔物や戦争で一旗上げるような英雄でさえも思わず萎縮してしまう程の強力なもの。

常人ならば狂死しても

可笑しくない筈なのだが、

どう言う訳かDickmanは狂死どころか、

怯む様子もなくニタニタと

気味の悪い笑顔を絶やさない。

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ア=ホトーク神話 外伝ヒ・ィガァモ @hosotakashi

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