第4話 変態

BOKISIKOを洗脳したホソは次の人材を求め、疑惑王国ウァッサで最大の規模を誇る市場、「ムラムラバレー」を訪れていた。


その外れに存在する怪しげな店で、何者かが店主と取引をしていた。


「TENGAアリマス?」


欲望を直球でぶつける謎の青年。


一見すると冒険者のようだが、身につけている純白のコートは卸したてのように汚れ一つ見当たらず、腰のベルトには小さなボウリングのピンのような『何か』をぶら下げていた。


店主は無言のまま、黒い『何か』を青年に差し出した。

青年が腰から下げているのと同じものだ。

「アッハ、オッホホ、クォレハ中々ノ名器ダ。大切ニ使ワシテ貰オウ」


青年はそれを受け取ると、満足気にそこから立ち去ろうとした。が、


「…………!」


近くに佇むホソの姿を見るなり、足を止めた。

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