3 湯けむり反省会
風呂場にいくと、お目当てのサウナには先客が2名いて入るのを控える。
幸い露天風呂が無人なので占領する。ぬるめのお湯だが、じっくり身体に滲みて心地いい。
体が温まり、頭の血流も少しは良くなったようで、今日起こったことを考え始めた。
「おつまみを買ったスーパー あれは確か三越百貨店のあった所だったよな。
ここで質問です」
Q 駅からホテルまでの道順をあらかじめ調べておかなかったのはなぜ。
A ユーチューブ動画で北浜駅4番出口徒歩1分と言っていた。
Q 北浜に着いたとき、最初に勤めていた会社を見に行かなかったのはなぜ。
A 1)勤めていた会社がそこにあるからホテルはない。
2)会社が無くなって、何かに変わっているのを見たくない。
すっかり日が落ち暗くなった湯船から、立ち昇る湯けむりがスクリーンになって、妻が以前に詠んだ川柳がドラマのエンドロールのように流れた。
「辞めてなお ウチの会社と いう世代」 白式部
よく道を間違える男の話 かつりん3 @katurin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます