このお話の主人公は、津多絵姫子ちゃん。高校生です。
その高校生が保育器の中の時点ですでに好きだったという(※本人談)真知界王子くんに、ついに愛の告白を！

……が。この王子くんが、これまた曲者だったのでした。
極度のネガティブ思考である王子くん。どのくらいネガティブかというと、姫子ちゃんとは幼なじみをさせていただいているだけでもとてもありがたいと思っているくらい。姫子ちゃんはいたって普通の……

……とはいかないのが咲美ワールド！　いやもう最初にいきなり保育器時代のことを考えている辺りで、なんとなく姫子ちゃんもくせのあるように見えなくもないような！

タイトルに姫子ちゃんの名前があるため、私は主人公を姫子ちゃんと書きましたが、王子くん視点の内容も入っています。
お互いのそれぞれの想いを覗くことができるのが、小説のおもしろいところ。
ぜひこの二人の気持ち、一緒に追っていきましょう！

「ねえ、つきあってよ」。このワンフレーズをキーワードに、これだけ面白い「すれ違いラブコメ」を書ける作者さまの筆才とイマジネーションに感嘆。いやはや、すごいものがあります。

「果敢に内懐に飛び込まんとするインファイターの女子」対「無自覚鉄壁ガードのアウトボクサーの謙遜男子」

「好きだ！」と告白するのは勇気がいる。それなのに、ネガティブ思考の相手には伝わらない。「好き」という言葉が、なんで、そんな風に曲がってしまうんだあ？？　　
勘違い、すれ違い、……、津多絵姫子ちゃん、頑張れ！！

「ねえ、つきあってよ」津多絵姫子は告白した。
ずっと好きだったが告白には二の足を踏んでいた。

すれ違いラブコメです。
男子の勘違いっぷりが、ラストまで面白いです。