あとがき

 ――いくつかの注釈。


 図書館のイメージは、「ニューヨーク公共図書館」です。もちろん、行ったこともないし、よく知りもしないのだけれど。特別な描写もしていないので、だからどうだというわけでもないです。

 ちなみにこの図書館は、時々「市立」とつくけど間違いらしいです。民間のものらしいので。ちなみに、映画『セブン』に出てくる舞台でもあります。というか、それを見てイメージとして選びました。

 すっかり忘れていたことですが、ラストで『G線上のアリア』が出てくるのは、映画でBGMとして使われているのを参照したようです。


 SF設定に関しては、あまり厳密でも秀逸でもないところではあります。「自律型図書検索支援ヒューマノイド」には、何か略称でもつけようかと思ったんですが、適当なのが思いつかないのでやめました。

 反世界戦線とかも、何とかしようかと思ったけど、とりあえずそのままにしました。それなりに、責任放棄してます。

 腕をナイフで云々は、もちろん『ターミネーター2』です。


 猫の餌は食べてないので、味については保証しかねます。パンのほうも。

 とりあえず、食べている人の意見を参考にしました。ドライタイプについては、食えたもんじゃない、らしいです。


 季節についての言及がないので、自分でもいつ頃のことなのか、よくわかりません。とりあえず、そんなに寒くない時期、というくらいが妥当かと。

 時代も場所も、わりとアバウトな設定なので……。


 冒頭部分は、あとからつけ加えたものです。本来は、(2)の部分からはじまっています。だから、仮にちょっと違和感を覚えたとしたら、あなたはかなり正しいです。

 どうも、フミの「変わった人」という言及が宙に浮いてる感じがして、どこかにつないでおく必要があるな、と思ったので。

 「Welcome to this world」云々は、北斗の拳2の主題歌『TOUGH BOY』からです。ただし、本当は「Welcome to this crazy time」なんですが。



 ……これを書いたそもそもは、マキナ・システムとそれへの抵抗、というのが主題だった気がするのだけど、あらためて読み直して(書き直して)みると、わりとメタファーな話というか、個人的な領域の話が大きいみたいです。

 誰も来ない図書館、それが存在する意味は? ――とかのあたりが。

 日記を見返してみると、相当ひどい状態のときに書いていて、我ながらよく書いたな、と思ってしまうところもあります。

 それは今も、たいして変わってはいないのだけれど。


 作中でのソワの、「生きることを強制するのは、死ぬことを強制するのと変わらない」という言葉は、僕の言葉でもあります。それが正しいかどうかは、今でも同じようにわからないのだけど。

 ともかくも、僕はまだ生きていて、自分でもたいして意味があるとも思えない話を書き続けています。それほどの確かさも、強さもないまま。とても「それでも、わたしはやっぱり満足なんです」とは言えずに。

 何とかして書いているときだけは、生きていることに言い訳できるような気がして。

 たぶん僕はそれでも、「この場所でずっとこうしてきたし、これからもやっぱり、こうしているのだろう」と思います。

 そこに救いがあろうが、なかろうが。


 ――変な文章を書いて、申し訳ないです。

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最後の図書館司書 安路 海途 @alones

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