不幸を纏う女がいる。不幸を祓う女がいる。互いに望まぬ力を持ち、望まれぬままにただ存在してきた。そのふたりが出会ったとき……他者がどうあっても、自分だけは、自分自身のありようを、あるがままに肯定しながら身を処してきた主人公の強さが、全編をまろやかに包み込んでいるような、優しくも力強い短編です。