第16話 決断

私は、中絶の動画をひたすらyoutubeで見ていた。観ずにはいられなかった。これから、私が行われる行為、どのように子どもの中絶が行われるのか。悲しかった。その動画は、成人を超えている彼氏がいる女の人たちが、経済の問題や彼氏におろしてと言われたことから子どもを中絶するドキュメンタリーだ。泣く彼女たちの姿が映っていた。私は、ベッドで横になりながら見ていたが、自然と涙が流れて上手く息ができなくなっていた。嗚咽が出る。なぜ、私がこんな思いをしないとならないのだろう、今後、私はどうなってしまうのだろうか。そして、私の心をさらに痛めたのがコメント欄だった。コメント欄には、「こんな女は泣く必要がない、自業自得。」「中絶するのなら、いっそのこと子宮をぐちゃぐちゃにして子供を二度と産めないようにしてほしい。」「不妊治療をしている身からしたら、赤ちゃんはなぜ私たちのところに来てくれないの。」「こんなの許す方が馬鹿。」「一生、赤ちゃんをおろした罪を背負って生きてほしい。」

私は、このコメント欄を見て横になってベッドで見ていながら眩暈がした。焦点がだんだんと合わなくなった。私は、私は、どうすればいいのだろう。その日、私は眠れずにひたすら頭痛と闘っていた。私の頭の中に、コメント欄が流れ込んでくる。

 私は、死のうと思った。それしか、解決方法が見つからない。私の頭の中は、それだけでいっぱいだった。今、私は地元にいる。1か月間いる。その間にある計画を立てようと思った。それは、彼を殺す計画だった。

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