歩き続けなければいけないきみへ

大きな木から一本の川が流れている。

ひとは川の流れを辿る。


私は旅をする。

どこまでも行くことに

おそれはないわ。

何もない海に出たとして、

そこが終わりとは限らない。


私は散歩をする。

この先は、静かな終焉。

向かう先に

おそれはないわ。


星が降るよ。

気の遠くなるような時間をかけて、

空が降りてくるよ。

まだ時間はあるみたい。


孤独の道を行く。

闇があり、

何を持って出かけたのかも

もう忘れてしまったけれど、

おそれはないわ。


扉が開かれているから、

片っ端から挨拶しよう。

私の帰る場所ではないけれど、

思い出は明かりとなり、

川を照らす。


歩き続けなければいけないきみへ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る