少女な散歩者 寄り道編

ほがり 仰夜

少女な散歩者 寄り道編

星が眠るまで側にいよう


とりのめは遥か、遥か

ひとは川に導かれる

笹舟のようなものなんだって

旅人は海へと流れ行く


草原で海を想う

波の音が聞こえるよ

耳を澄ませる

みな海の鳴る音を知っている


からっぽな体で街を歩く

からっぽな街はぼくたちを呼ばない

からっぽだから寂しいけれど

街が吐いた一本の煙に祝福を


探し物があるもので

私はどこまでも

歩いて行けるのです

今日は、星果てる地まで


子龍の手を引き暮れの街

手を引いているはずなのに

龍の道に迷い込む

晩飯までに帰れそうもない

トマトをかじる


あちらに行けば常世

そちらに行けば星の果て

鳥は飛び立つ

後には何も、残さない


少女は旅をする

鳥の道しるべを辿って旅をする

きっと会えるよ

鳥の足跡は続く

あなたの昼や夜も横切って

少女は行く

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