arme- rouge アルマ・ルージュ 魔銃を手に入れたら、別世界で最強兵士になりましたが何か

大国誠

第1話 魔銃arme- rouge アルマ・ルージュとの出会い

「お~い! 信濃 早く来いよ!」


 分隊のリーダー役が振り向きながら呼びかけてきた


「おう! わかってる まかせとけ!」


俺の名は信濃健(しなのけん)

元気に三十路に突入した、ミリタリーマニア兼サバイバルゲーマーで~す 

よろしくです! ∠(u`・ω・´)ビシッ


「お前が遅いつうの ほら隊列が伸びちゃってるだろ

いつアンブッシュ(待ち伏せ)されるかもしれないんだぞ」


ハイハイったく わかってるつ~の

今日は、ほんと久しぶりのサバイバルゲームなんで、みんな朝から気合入りまくり!


ガサッ ガサッ! 


雑木林に分け入り、枝をかき分けて進んでいくんだけど

林の中では本当に視界が効かないんで要注意なんだよね 


ここは関東の魔境グンマ~某所の緑豊かなサバゲフィールド

広々として、いろんな地形がある上に、昼に出るカレーやそぼろ丼なんかが

また最高に上手いんです☆


それになんか、よく知らんけど、ここの近くから縄文時代のすごい土器なんかも

出たらしいんだよね


まだ6月とはいえ気温は23度を超えてて、久々の山歩きはちょっとしんどい

M1ヘルメットでなく、ブッシュハットにしてきて良かったぁ

手にしたトンプソンサブマシンガンを構えなおして、辺りに気を配りながら、

前進していくんだぜ


しかも今回のイベントは大好きなNAM-Day!


NAMつっても(-人-)南無~じゃないですよw

これはVIETNAM WAR/ベトナム戦争当時の軍装や兵器でやり合う

サバゲなわけでつ!


自分の設定としてはアメリカ海兵隊の通信兵仕様ですな

M1955ボディアーマーにトンプソンサブマシンガン

そう あのCOMBAT!でサンダース軍曹の愛用してた機関銃でつ


え~ でもベトナム戦争ならM16自動小銃やM60機関銃なんかが普通で、

トンプソンSMGは第二次大戦なのでは?と言われることが割とあるんだけど

ちょっと違うんだよねぇ


確かに、ベトナム戦争の時にはもうとっくに二線級だったんだけど

南ベトナム兵や有名なグリーンベレーそして通信士などには、

このトンプソンSMGが割と使われてたんですよ


通信兵やるから、無線機も無理して買いましたよ

だけどジャンク品なんで、もっと新しい小型の無線機を黒ガムテで

くっつけて送受信してるのは内緒ですからね


う~ん でもちょっと、このかさばる通信機のせいで隊の連中と距離できて

しまったなぁ


妙に奥深い森


メンバーの姿がまったくみえなくなっちゃったよ

それにしても、ここのフィールドって、こんなに木や森が深かったっけ?


ヤヴァい フィールドの中で迷子になったなんて恥ずかしいよ 

ちょっと腹も減ってきたしね;´д`)トホホ



おや、なんか先に岡が見えてきたな

そうだ あの丘に登ってみたら道がわかるかもしれん

そう思って近づいてみると アレ!? なんだコレ

中腹になんか穴が開いてるような・・?


ちょっと屈めば人が一人が入れるほどの大きさの穴が掘られていて、

中へと通じてるみたいだぞ


ははぁ なるほどピコーンと来た! 

これはきっとべトコン仕様に合わせたトンネルラットですな

トンネルラットというのはベトナム戦争中にべトコンが掘ったトンネルを米兵が

コルトガバメント拳銃とライトだけを頼りに索敵した、とても危険な任務

だったんだよ


それの再現ってするわけですかか 凝ってるなぁ

てことは中に、べトコンチームの連中が潜んでやがるな 

ちょっと入ってみるか・キシシシシ


奇妙な穴の中へ入る


軍用のライトを持っているので照らしてみると数m先まで通路になっているぞ

足元に気を付けながら進んでいったんだけどその先にいってちょっと驚いた


「おいおい なんだぁ この階段は・・っ!?」


ほら穴の先には、そこからずっと石組の古びた階段が下に続いてるじゃないかよ・・


「妙だな? この階段は昨日 今日できたようにはとても見えないなぁ」


そう思いつつ石段を何段か降りてみて、ドンと強く踏んでみると、どうやら

古くても造りはしっかりしているようだ


今度は、屈んで顔を下にむけて臭いを嗅いでみる

こうした地下道や穴には動物の死骸や地質などから、沁み出した不敗ガスや

有害なガスなどが溜まっていることもあるからね だけどここは何の悪臭もしなかった


よし! 俺は覚悟を決めてゆっくりと一歩づつ石組みの階段を下へ降りて行ったんだ


十五段ほど降りると、やっと床に着いたライトで照らしてまたビックリした


数m先はかなり広くなっていて扉らしきものまで見える


石室(いしむろ)の中で見つけた物は・・


「こいつは・・ ここのサバゲフィールドの管理者が用意したもんじゃない!」


広間の規模や古い石組の材質からそれは直観できたその部屋は黒っぽい堅い石の

ブロックが組み合わされてできているんだな


広間の扉は全部で三枚あることが確認できた


「どうしようか・・?」開けるか 誰か呼びに行くか


でも俺ってクヨクヨ悩むのが嫌いで、普段から基本まぁいいかって性格なんですよ

たから、このまま行くことにしたんだぜ

その時だっ


グ ググゥ~~!


おっと朝からフィールドを駆け回ったんで腹が減って鳴きだしたんだZE


背負ってるフィールドパックのサイドポケットから、スナック菓子のうまいぼ~を

取り出してパクパクして腰につけてあった水筒を取り出して一息入れたんだ


「ふ~旨かった 軍装ってこういう時便利だよなぁ

さてといきますかぁ・・」 


ドア周りと天井にライトを向けて軽くたたいてチェックしてみた

脆くて崩れてきて生き埋めにでもなったら死ぬかもしれんからね


ところが、石室は驚くほどがっちりと作られているみたいだ

これなら大丈夫だろ さて三枚あるどの扉からいくかな? 

どれもまったく同じに見えるんだけどちょっと迷うね


その時、気のせいだったのかもしれないんけど、

何故か真ん中の扉からうっすらと赤い光が差したように感じたんだ


「よし! せっかくなので俺はこのルージュの扉を開けるZE!!」


ギッ ギギィ!


力を込めて押すと扉がゆっくりと開き出した


少し開けてライトを素早く照らし異常がないかチェックしたよ

OKのようだ よ~し覚悟を決めて部屋の中に入ってみますかぁ


室内を照らしてらちょっとがっかりしたよ

石棺やテーブルなどなんにも見当たらないしガラ~ンとした殺風景な石室だった


広間と同じ黒っぽいて堅い石材のブロックを組んで作られいて天井までの高さは

2.5m程で 広さは10畳くらいかなぁ・・


中の空気はとてもヒンヤリとしていて汗ばむようだった外の気温とは大違い


「ちぇっ 空っぽの部屋か・・・ 

 まぁ現実にはこんなもんだよなぁ 

 あれっ!?」


よく見ると部屋の奥の床になんか小箱があるじゃないかよ


「なんかあるぞ 宝の箱だったりして プフフフw」



魔銃との出会い



そう思いながら箱を持ち上げてみるとかなりズッシリ感がある!


「箱の横になんか書いてあるぞ

arme-zone /アルマ・ゾン?? なんかスペル間違ってないか?」


箱は紙なのか 金属なのかよく分からない

材質でできていたけど、フタはすぐ開いた


「おいおい なんだよ! これ銃なのか・・?」


箱の中には軍オタの俺でも見たことない銃が入っていた


箱から取り出してみると、だいたい7inchサイズの大型のサイドアームらしきものだった

ちょっと重いよ これは重さはかなりあるなぁ

オーストリア製で世界中の軍や警察ででたくさん使われている

Glockなんかが700gくらいなのに比べると、この銃はずっと重くて1Kgは超えていそうだった


全体に丸みを帯びたフォルムで黒いグリップ(握り)に大きなグリップガードが

ついているのが特徴的だった

マズル(銃口)は銃身から出ていなくて、照星((銃口の上にある狙い)もとても小っさい

それに銃見全体に不思議な装飾? 模様?みたいのが浮き出てていくつかボタンのような

突起もついてるんだ


全体的は、かなり鈍い薄い青みががった銀色みたいなんだけど触ってみて驚いたのは、

ズッシリ感があるのに冷たくないのがかなり不思議だなぁ

こんな冷たい部屋に永く置かれていたのなら当然、室温と同じなっているはずなのに・・



「ハンドガンぽいけど、なんだろ?

冷たくないのはステンレスとかの金属製じゃないからなのかな

シリンダーが無いからリボルバーじゃないなAUTOには違いないよな


よ~し ちょっと構えてみるかな・・」


グリップを握って、その銃を構えようとした途端に強烈な光が室内を照らした



そして別の世界へ


「うわ~~っ!!?」


強烈な光で照らされたように感じたんだけど、それは俺の思い違いだったんだ

銃が光ったんじゃなくて、俺の頭の中が真っ白になったんだ

よく言う頭の中で☆彡が飛ぶっていうやつだよね


そして、強い光が薄れて、だんだんと意識が戻ってきた


耳元で誰かが大声でがなっている


「Hostiles Inbound! Return Fire!

 (敵勢が侵入した 反撃しろ)」


「Are you okay? Come On~ Ken!」

 (大丈夫か? しっかりしろよ ケン!) 


レシーバーのガナリ声で目が覚めた

どうやら気を失って地面に倒れこんでいたようだ 


一瞬、これはサバゲの続きなんだと思っただけど装備も軍装が

まったく違っていたんだよ


前も行ったけどサバゲでは、ベトナム戦争中の米海兵隊の装備だったんだよね、

だけど、ここでは見るからにハイテク装備で、なにか黒いラテックスのような

体にフィットするコンバットスーツを身に着けていたんだ


しかも肩や足などには、クッション性のあるプロテクターが

一体形成されていて、更に胸と腹を守るために薄くて軽いボディアーマーに

覆われていた

そして手には、例のあのヘンテコ銃が握っていたんだ


「なんだよこりゃ!? 夢かなぁ・・

俺 知らないうちに変なもの打ったれたりしてないよなぁ・・」


まったくわけわからん状態だったけど、ともかく起き上がって辺りを見回してみると、

目の前にはド~ンと観たこともない石造りの巨大な建物が建っていたんだ


その建物は見つけた石室と材質なんかはそっくりなんだけど、もっともっと

ず~と巨大で綺麗な状態の神殿みたいに見えた


また無線からなにか怒鳴り声が聞こえてきたんで

なにか答えないとおもった矢先だった


"I'm OK Michael! (大丈夫だ マイケル!)"


咄嗟に頭に浮かんできた言葉を口にしたけどマイケルって一体 誰なんだよ?

暫くその場でつっ立ったままでいたら、また唐突に頭に声が響いてきた 


"Kill the enemy! 敵を殺せ!"


よ~し こうなったらわけわからんがやってやるZE!


俺は寺院ぽい立派な石段を一気に駆け上がって、石柱が何本も建っている

大きな広場に出たんだ

だけどそこからは、敵がいるということは狙撃とかされるかもしれんと思って

壁伝いに左方向に向かって素早く移動していったんだ


それから一つ気づいたことは、興奮してるってこともあるけど、この妙な銃

デカい見た目の上に重さもあるはずなのに手にしてみるとすごく手にフィットして

持ちやすいことだった


広場の一番端に着くと、ひこから壁沿いに小さな階段があったんで注意して

上がっていった


登りきると回廊になっているけど、何だか嫌な予感がするんだよ

その先の通路 角を曲がったところで待ち伏せにもってこいのポイントなんだ


こんな時は鏡でコーナーの先をチェックしたいところだけど、

そんなのは持っていないしなぁ・・・


そう思ったときに 急に目の中になにかの画像が映し出された


「あ゛ぁ゛っ なんだよこれ!?」

そこには見たいと思った角をまがった通路の先の映像が映っていた

フェイスマスクをして武装した兵士が二人も待ち構えているのが

はっきりと判ったんだ

だけどHMD/ヘッドマウントディスプレイス(ヘルメットのゴーグルに情報が

映し出される装置)なんかつけてないのにどうしてそんな画面が見えるのか? 

Why? Please tell me!


待て! いまはそんなことに拘ってる場合じゃねぇんだった!

なんしろ待ち伏せしている通路の向かって左側のやつはRPG7対戦車ロケット

ランチャーを構えてるじゃないか


あれを食らったら直撃しなくても周囲の壁や床に弾頭が当たっただけで、

爆風と破片でこちとら大ダメージを受けちゃうよ!


俺は、こんなおもちゃみたいなヘンテコ銃でなんとかなるんかな?

と思いながら手にした銃をもう一度、見たんだ


ハッ! しまったぁっ! 興奮してわすれてたけど、この銃のセイフィテー(安全装置)や

マガジン(弾倉)の残弾数とか全然チェックしてなかったよ

グルーピング(弾の収束性)とかどうなんだろ

試し撃ちすらしてねぇ (;´д`)トホホ・・


"グリップロック解除済 残弾20発"


落ち込んでいると、またまた頭に言葉が浮かんできた! 

しかもいっている意味もよ~く分かったZE

なるほど、この銃はグリップを握ればセイフィテー解除されるんタイプなんだ


それに弾数の方は、現用銃は9mmパラベラムで15~16発が

普通なんだけどこいつはもっと多い20発ってのは多い日も安心だね!


よ~し まずは左のロケランのヤツから撃つ、撃つ、やってやる!

そう念じながら曲がった瞬間にトリガーを引いたんだ

ロケラン野郎は後ろにのけぞって頭から倒れただけど、右側の自動小銃の

ヤツにはやっぱ反応が遅れた

そいつの銃が火を噴き、当たった弾が横の壁の破片をまき散らした


「やられてたまるか~っ! モブキャラ死ね! モブキャラ死ね! 」


無意識に叫んじゃったけど、俺はもう夢中でトリガーを引いたんだ

そして、もう一発が右側にいたヤツに命中したのがはっきりと見えた


銃声が途絶えて、辺りは再びシ~ンとした静かな遺跡に戻った


「ハァハァ 終わった」


たった数分だったけど、まるで何時間も経ったように感じたる


銃を向けながら、注意して倒れている奴らに近づいて見ると二人とも

頭から血を吹き出して倒れてた

恐ろしくリアルな死体だったんだけど別に気持ち悪さはまったく

感じなくて変な話だけど、興味が湧いてきたんだ


それで最初に撃ったロケラン野郎の首筋に映画とかで見たように、

左手を当てて脈を確認してみると

脈はまったく感じられなかったし、胸の上下動も無く、

呼吸も止まっていることが判った


だけど、相手の顔を見てちょっとギョとしたよ

弾の入射口が額の真ん中 つまり眉間を撃ち抜いていたんだ

それに、あわわて撃って外れたと思った二人目もこめかみに

hitしていたのにはちょっと驚いたな


「スッゲ~おいおい 俺ってこんなに射撃の名手だったっけ?」


この時は、殺人だのなんだのといった罪悪感はまったく感じなかったしね


なんか夢とかでも、たま~に夢の中でこれは夢だなとわかる時があるように、

こんな非現実的な世界ではゲーム感覚しか持ちえなかったんだ


あっ そうだ! まだ敵はいるに違いない

そう思って、急に立ち上がったらとたんに眩暈がしてきたんだ


そしてまた頭の中がまっ白く光って俺は意識が遠のいて倒れ込んでしまった・・

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