第3話 『伯爵夫人へ愛を込めて』~ローズマリー編~
(カリフォルニアの青いバカが、ギター片手に歌を歌う
この世は楽しいことばかり、と言ってるような歌いっぷりである。
何一つ、悩みなき人生を送っているが如くに、ず抜けた能天気で歌っている)
森へ行きましょう 家探し(あはは)
迷ったら(あはは) あの森へ
僕らは木を切り 家建てる(あはは)
マイホーム(あはは)手にいれよー
ララララ ララララ ララーララ
森不動産なら、夢叶う
森に行けばみんな 幸せの(あはは)
スマイルが(あはは) 溢れてる
話をしながらローンを組み(あはは)
支払いは(あはは)無理せずに
ララララ ララララ ララーララ
森不動産で、ハッピーライフ
(森不動産のCMソングに被るようにして会話が入ってくる。少しの間、小さくCMソングが流れている)
(森不動産と契約している営業のエージェント2人が話している)
ローズ(けぬ)
マリー(Sumomo会長)
以下 ローズR マリーM
マリー「あーあ、仕事に一区切り着いちゃうと、退屈ね」
ローズ区切りは着いたけど、ケリはついてないわ。のんびりするのは早いわよ」
マリー「そうだった。 ところでローズ、鏡社長どんな様子だった?」
ローズ「ああ、マリーがハッキングしてくれた決算書で、首根っこ押さえたから、社長真っ青になってたわ。流石に脱税がバレたら、アウトでしょう? それと、10年前から囲っている愛人の存在で、トドメをさしてやったわ。二つとも証拠を見せつけて、口外しないと誓わせたの。仮に、今回の計画がどこかで漏れたとしても、証拠がないから、捜査の手が及ぶ危険性はないわ」
マリー「そうね。 でもさ、社長も請け負ったガラス加工品が、まさかあんな形で使われようとは、思ってもいなかったでしょうね、ふふふ」
(ローズの耳を飾っている、イヤリングを見つめながら)
「ねぇ、ローズ、やっぱり、そのイヤリングいいわね。流石に、国王が注文したデザインだけあるわ」
ローズ「でしょう?残念ながら、真っ赤な偽物だけどね」
マリー「結局1、000個以上作ったわね」
ローズ「そうよ、市場にばら撒いて、盗賊一味と世間の目をくらますには、ある程度の数が必要だったもの」
マリー「ボヘミアガラスを砕いてカレットにし、加工し直すなんて、手が混んでるわ」
ローズ「撹乱するには、多少は手を掛けないとね。手紙も、イヤリングも盗まれて、エレノアは面目丸潰れね。必死になって探しているでしょうけど、既に多くの偽物が出回っていて、追いきれないでしょうよ」
マリー「ザラは、イヤリングと手紙を最も安全なところに預けてあるって言ってたわ」
ローズ「文化庁よ。現在、鑑定中。長官の都倉俊一も、喜ぶでしょうね。」
マリー「それ、誰?」(この後、間を取ったら、笑い声3秒入れて下さい。下の台詞に合わせます)
ローズ「スカした爺さん、らしいわ。私も知らないんだけど(マリー、ローズ共におかしそうに思いっきり笑う。3秒)で、このあとの処置は、国に判断させようってわけ」
マリー「なーるほど。意外なところに流れ着いたわね。 たださ、苦労して奪い取ったのに、何だかもったいないような気もするけど」
ローズ「元々ザラは、盗賊から分捕ったら、本来の持ち主を探して、戻すつもりだったのよ。でも、時間かけて探すくらいなら、いっそ国家間で解決させよう、ってなったわけよ」
マリー「ほほぅ、納得。まあ、私としては、ちょっとしたお小遣い稼ぎにはなったから、別に文句はないけどね。
ところでさ、さっきからエンドレスで流れてる、あの森不動産のCMソング、バカ丸出しだよね。一日中聞かされて、頭がメリーゴーランド状態なの。絶対、あんな歌、誰も好きにならないと思う!」
ローズ「好きでも嫌いでも、名前を覚えてもらえばいいの。どのみち私達は、コミッションにしか、興味ないから。この、億ション、全物件売り切ってしまえば、 マリー、念願の長い休暇が取れるわよぉ」
(IT系の新婚夫婦が見学を終え、部屋に入ってくる。夫の鼻の下が伸びきってる)
妻「あのぉ、このフロアー買います。 ね、あなた、いいでしょ?」
夫「もちろん、君が欲しいなら、なんでも買いなさい」
ローズ「さすがです。お目が高い!人気物件ですので、ご決断は、早いに越したことはありません。
さ、それでは、ご購入手続きのご説明をいたしますので、こちらの方へどうぞ」
( 独言して)
マリー「あら、案外早くバケーションが楽しめそうだわ。そうだ!ハンガリーでも行って、伯爵夫人の、思い出の場所でも辿ってみようかしら。
(楽しそうに、森不動産CMを歌う) ララララ ララララ ララーララ 森不動産ならハッピーライフ
(いつの間にか、森不動産CMソングをご機嫌に歌う)
参考資料
ローズ&マリー
2人ともに、裏家業のコードネーム
表の職業は、高額不動産のエージェント
ローズ
26歳 165cm 48kg 普段は、カモフラージュに眼鏡をかけている。
頭脳明晰。決断が早く、運動能力が非常に高い。元オリンピック強化指定選手(新体操)
強豪国である、ロシア、ベラルーシ、ブルガリアに体操留学経験があり、ロシア語が堪能。
ザラの一味に加わったのは、ロシアでの留学中にスパイと間違われ、勾留されていた所を、救われた経緯から。
担当は、調査と現場管理調整
趣味は、料理、スィーツ作り。 レストラン、ホテル等の潜入調査時に身につけ、興味を持った為。極めて行くうち、玄人はだしの腕前となる。
マリー
25歳 159.8cm 44kg 縦ロールのアッシュブラウンの髪(完全にアニメから抜け出たような容姿)
ローズとコンビを組むことが多い
ハッキング、ドローン操作が得意 犬のブリーダーの経験があるため、動物の扱いが滅法上手い
本人は、動物と会話ができると言っている。 鳥に磁石型GPSを取り付けて、移動経路を収集するのが趣味。
世界中のコスプレイベントに参加し、その容姿から、コスプレーヤーの間では、鬼神と呼ばれている。
コスプレの衣装は全て、マリーの手作りのため、洋裁、和裁も得意である。
上記シナリオの音声化。以下のサイトで聴くことが出来ます。
https://www.spooncast.net/jp/cast/3612940
伯爵夫人に愛をこめて ~サフィレットは永遠に~ 欠け月 @tajio10adonis
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