最後に
私は作品について、「あとがき」のようなものをつけるのは好きではありません。
世に出した以上は、書かれたものは読者の解釈によるものだと思っているからです。私自身、作者として意図はありますが、意図は意図として解釈の一つでしかないと思っています。
なので、ここで作品について弁明をするつもりはありません。
ただひとつ、この作品を書いていて、とても悔しかったことがあります。
それは、この作品を書いている最中、大阪の心療内科クリニックでまたもや無差別放火殺人事件が起こってしまったことです。
『ムテキノヒト。』の着想は数年前、秋葉原の無差別殺人事件が起こった頃にありました。
その後、何度か書こうと思っていましたが、次から次へと、無差別犯罪が起こる度に、今ではないなぁと思って自粛していました。
そして今回も、この痛ましい事件が起こった時、更新を止めようかと思ったのが正直なところでしたが、そもそもこの作品を通して、そういった事件の犯人を礼賛する意図は全くなかったこと。
また読んでくださっている方もいらっしゃったこと。
そして、「無敵の人」という言葉が古く、また日常の中に溶け込んで、忘れ去られてしまうような気がしたので、このタイミングで最後まで更新させていただきました。
最後に、被害にあわれた方のご冥福をお祈りし、お見舞い申し上げるとともに、こういった憎むべき事件がなくなってほしいと切に願っています。
ムテキノヒト。 江野ふう @10nights-dreams
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