アカン社長のあとしまつ

探偵の仕事が実際は地味、というのくらいは聞いてましたが、そんな事までするの？ってなって、本筋ではない小ネタくらいの文量ですがこの仕事内容のくだりだけでも面白かったです。

社長の男の人の謎の愛嬌とダメなとこ詰め合わせセットみたいな人柄がとてもリアルで、わかりやすい恫喝系クズではないぶん、ところどころ寒気がしました。

＞まっとうに生きれば幸せになれる資質を持っているのに、なぜ道を踏み外してしまうのか。不思議なもんですね。なんの資質も持たず社会のよどみの中に落されて、それでもまっとうに生きている人間も多いのにね。

ここのしみじみとした、実感の籠もった語りが印象的です。おるよな〜こういう人。表面が明るくても根は闇が深そうです。あまり深入りしたくないですが……。

サラサラ読みやすい語り口ながら、ところどころが本当に怖くて面白いエッセイでした。