第11話
私がエーミールのドレス置き場を後にした後その部屋で火事が起きた。
もちろん私がすぐに疑われた。私があげたドレスも公爵家の式典で使われてきた古参的なドレスも全部燃えた。私はまた牢獄もどり。
私は前牢獄にいた時リドルに言われた言葉を思い出した。
「だってあなたにはもっともっともっともっともっともっともっと苦しんでもらわないと気が済まないの!あなたはこれからは絶望と苦しみを味わって生きていくのよ!!」
きっとこの火事もリドルがてをまわしたのだろう。今度こそ死刑かな…。あぁ、神様なんでこんなことを、私が何かしましたか?
気がつくと眠っていた。冷たい床の上からヒュオーと風の音が響いていて、ただただ泣いて寝ていた。2日後、リドルとエーミールと公爵様が来た。
「リドル…あなた私を恨んでいるだけならいいわ、別に。でも!エーミールには手を出さないで!!もしあそこにエーミールが、いたらと思うと…うぅっ…!!」
ほんとに演技がうまいと思う。リドルは泣いた。エーミールはリドルの背中をさすり公爵様はリドルを抱きしめた。だが今回もリドルが私の罪を許した。まだまだ苦しめるつもりなのだろう。またしてもリドルは先に二人を地下牢から帰し私と二人きりになった。
「ねえマリア様?」
リドルは皮肉気味に様とつけた。
「私ねずっとずっと前からねぇ公爵様のことかっこいいなって思ってたのよ、正直惚れちゃった…ふふ。」
「は…?何を言ってるの?!」
私は嫌な予感がした。
「公爵様ったらね私のことを抱きしめてくれたりキスもしたわ。リドルの頃だったらできないことね。すごく幸せだわ!私のことを愛してるのよ!!」
嫌な気持ちになった。公爵様は私じゃない私を愛しているのだ。
「それでね今夜こそ公爵様に抱いてもらおうと思うの…ふふふ想像するだけでわくわくするわ!!」
私はぞっとした、
「嫌だ…やめてそれだけはお願い!!」
私の懇願の声が牢獄に響き渡った。リドルはそれを無視し、冷たく私を置いて行った。
夜
「公爵様…その今夜、いい…かしら?」
リドルはわざともどかしそうにし、上目遣いで公爵様を誘った。リドルは公爵様の手を握り抱きしめた。それを聞き公爵、ディオラガン・ブラットは違和感を覚えた。
(いつものマリアはわざわざこんなことを言わないはずだ。おかしい、)
そう思いディオラガンは牢獄にいるリドルの言葉を思いだした。
「リドルと入れ替わってしまったんです!」
まさか…な。でも確かめてみる価値はある。
そう思いディオラガンはいや今夜は疲れてるからやめとくと言い地下牢へ向かった。
地下牢
ディオラガンは地下牢へつづく階段を降り、牢獄で横たわるリドルに向かってわざと
「マリア…?」
と問いかけた。いつものマリアなら名前を呼ばれると嬉しそうに振り向いて、どうされました?と言うはずだ。だが最近のリドルははーい?などと少し年代の違う若者のような反応をしていた。名前を呼ばれリドル(マリア)は、
「公爵様…どうされました?」
涙を流しながらディオラガンの方を向いた。
「信じてくれるのですか?」
ディオラガンは牢獄の戸を開けマリアを抱きしめた。
「悪かった…信じてやらなくて悪かった。」
ディオラガンはくちびるを血が出るほど噛み締め後悔した。
「許してもらおうなんて思ってない、ただせめてマリアが元に戻れるようにする。悪かった…!!」
マリアはディオラガンの腕の中で泣いて、そして、
「許しますよもちろん。公爵様は私の愛する人なのですから。」
その日の夜は長かった。
↓ ↓ ↓
作者より
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公爵夫人がメイドと入れ替わってしまいました!? 山椒わさび @tomimaru__0113
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