第22pedia 成人の日

「今日は祝日だよね?何の日だっけ?」

「成人の日ですね。成人式が行われること以外、何をする日なのかは知りませんが。」


特に成人の日に関わりのない2人は、相変わらず、家で休日を謳歌している。


「成人になったことを祝うから祝日なのかなー?気になるなー。」

「そんなにだらだらしながら聞かれましても…。」


スナック菓子を食べながら、知依ちよよみの方をチラチラと見ている。

その様子を見たよみは、本を開き、「どーぞ」と言った。

暇を持て余している知依ちよは立ち上がり、全力でポーズをとる。

片手は腰に、片手は天井に掲げ、突き出された人差し指には、例の三角のスナック菓子が被さっている。


「調べて!ヨミpedia!」

「…相当暇だったんですね。今回は調べながら行きますよー。」


相変わらずだらけた様子のよみは、チョコを口に放り込み、検索を始めた。


「ええと、成人の日は『大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い、励ます』日だそうです。ただただそれだけの日ですが、法律で定められているそうな。」

「ほえー。どうして1月の第2月曜なの?」

「んー…。まず、成人式の起源が、奈良時代から、小正月――1月15日に行われていた『元服げんぷく』という、成人を示す儀式だそうです。で、これがそのまま成人式になったことから、1999年までは1月15日に行われていました。2000年以降は『ハッピーマンデー制度』によって、1月の第2月曜に移動したそうです。」

「はっぴーまん…?」


よみは「少々お待ちを…」と言い、お菓子をつまみながら検索を進める。


「あ、ありました。アメリカにある『月曜休日統一法』という、『祝日を月曜に移動し、3連休を作ることにより、余暇を過ごしてもらおう』という内容の法に倣ったもので、まったく同じように祝日を月曜に移動し、3連休を作ろうという制度ですね。まさにハッピーマンデーです。」

「ほえー。そんな制度あったんだ!というかそんなに簡単に祝日って移動できるんだねー。」

「オリンピックシーズンも滅茶苦茶に移動してましたし、もはや何かを祝うというより、ただただ休みを作る、みたいな感覚になってますね。」


知依ちよは「だねー」と肯定しながら、立ち上がる。

彼女は冷蔵庫を開けながら「あ、そういえば」と話を続けた。


「今年から成人する年齢が18歳になるみたいだけど、成人式ってどうなるのかな?」

知依ちよさんにしては情報通なことを。自治体によると思いますが…調べてみますね。」


知依ちよは冷蔵庫から飲み物を取り出し、「それくらいはねー!」と得意げな様子で、こたつへと戻った。


「やっぱり場所によるみたいですね。会場の確保が難しいことを理由に、従来の『成人式』から『20歳を祝う会』のように、名目を変更しているところや、3世代一気に行うところもあるようです。ただ、18歳は受験真っただ中ということもあり、成人式を行うとしても、時期をずらして行うところがほとんどのようですね。」

「ほえー。やっぱり急に制度が変わると大変だよねー。たいへんだーたいへんだー。」

知依ちよさんは、自身の休日の過ごし方に、もう少し危機感を覚えた方がよいのではないでしょうか?また太りますよ?」


知依ちよはピシッと姿勢を正し、よみを制止するように片手を前に突き出した。


「またって言った!お正月も太ってはないからね!!」

「あーそれは失礼しましたー。」


適当にあしらう様にしながら本を閉じるよみを見て、「もー!」と膨れながらも、お菓子を食べる手は止まらない知依ちよであった。

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調べて!ヨミpedia!~5分で読める雑学ノベル~ まっちゃりうむ @maccharium

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