※読み合い企画からのレビューです
指揮者志望だった主人公が交通事故によって死を迎えたあと、自らを"管理者"と呼ぶ天使モドキに彼の作った世界へと転生させられて──という導入から始まる本作品は、作者のクラシック音楽に対する情熱がそのまま形となったような物語だ
モーツァルトやブラームスといった名作曲家の楽曲をオーケストラが演奏するさまがまるまる一話差し込まれ、主人公(あるいは作者)の解釈が詳細に述べられる
実際にその楽曲を聴きながら演奏回を読むと、まるで、美術館で解説音声を聞きながら絵画を鑑賞しているような気分になってくるのだ
異世界でクラシック
この組み合わせは恐らくカクヨム史上初めてであり、仮に前例があったとしても、この熱量で書かれてはいないだろうと断言できる
万人向けとは言えないが、逆に「こういう世界もあるのだ」と、一種の体験として楽しめるほどに尖った作品であることは間違いない
本レビューを読んで本作品に興味が湧いた方は、是非チャプター1の演奏回「W.A.Mozart: Symphony No.39 K543」までは読んでみてほしい
圧倒されること請け合いだ
芸術を司る神に異世界転生させられた少女のお話。
異世界転生の後のストーリーもさることながら、個人的には、「クラッシック音楽ってこんなふうに楽しめばいいんだなぁ」と楽しみ方を理解させられた作品です。
作曲家の特長や、曲の生まれた背景や情緒の読み取り方が、分かりやすいことに納得させられました。
所謂、クラッシック音楽うんちくが多いので、選り好みは出てしまうかと思いますが、新しい鑑賞の仕方を知ることができて満足です。
まったくの素人である私は、まずは歴史から知らないといけませんが汗
クラッシック音楽を楽しむ足掛かりとなる作品だと思います。