第十夜『最後の夜』
こんな夢を見た。
夜なのに空が妙に明るかった。
外に出てみるとゴッホが描く「星月夜」のように月と星が煌々と輝いている。月は満月なのだが、よくよく見れば、満月は僕が立っている場所の左右に二つ存在していた。
しばらくその不思議な夜空を眺めていると、星の一つが夜空から滑り落ちるように流れ、どこか遠くで大きな爆発音がした。
それから次々と星たちが流れ落ちて来て、遠くの方で真っ赤な火の手が上がり、その炎がどんどん広がって、次第に僕のすぐ近くまで迫ってきた。
......ああ、今日が地球最後の夜だったか
荒れ狂う夜空と地上の輝きを前にして、僕はもうどこへも逃げられないこの状況をどこか清々しい気持ちでぼんやり眺めていた。
夢十夜 祐喜代(スケキヨ) @sukekiyo369
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