世界をつなぐ話
ソンナノ宇宙
第1話 他人の自由はリスクであり、自分の自由は負担
那須耕介(故人)さんの紹介記事から考えさせられたことです。
が、引用ではなくわたしの解釈なので、その点はお断りしておきます。詳しく知りたくなったという方は、那須耕介さんの御著書をお求め下さい。ただし、わたしが目にした紹介記事の著書は、書店で販売されていません。ネットで検索し、直接、注文する必要があると思います。
『社会と自分のあいだの難関』那須耕介
販売 編集グループ SURE
「嫌いな人と社会をつくる理由」という見出しも目に付きましたが、何よりもはじめに突き刺さった言葉は、
「他人の自由はリスクであり、自分の自由は負担」という箇所。
公共の場所でのマナー問題から、最近だと監視カメラの拡充、あるいは、持ち物検査待望論、○○パスポート等々。お互いがお互いを「何をしでかすかわからない相手」とおそれている。
そして、その一方で、自分で決められない。決めたくない症候群? が広がっている。
今回のワクチンでも、自分で決めて下さいと云われると戸惑い、不安な情報(ひとくくりにデマとされましたが)が流れ、結局、「一般人にとっては義務のようなものだ」という風潮になって落ち着いたようです。
那須さんは、その現象に注目し、その心理をこう喝破されました。
多くの人が、「国家の強制力に頼っている」と。
「世界統一政府に向かって進んでいる」ということが陰謀論なんかで云われますが、その根底にはそんな大衆の願望もある。学校にたとえれば、学校ごとの校則じゃなく統一して欲しい。そして、先生にしっかり監視して欲しい。違反者は厳しく処罰して欲しいと願う心理。
過激な云い方をすれば、ジャングルでの自由よりも、牧場の羊がいいと思う人が多数派になってしまった。牧場の中には、平等と安全が保障されているという幻想が広まっている。周囲の者は信用できないが、羊飼いや牧場主については少しも疑わない。
ここまでお読みいただいた時点で、過半数の方は反発や怒りを抱かれたのではないかと思います。カドのある云い方になって申し訳ありません。那須さんはそんな云い方はされません。そういうところにも那須さんはとても敏感だったようです。
那須さんは、そもそも「どちらが正しいのか?」と考えてしまうことが罠だと。早くから気づいておられたようです。正しさを求めるところから対立や争いが生じるという不条理ですね。
ゲームやスポーツなら、終了すればその対立は解消されますが、現実問題では、終了がありません。対立は深まる一方、議論も行われなくなる。
一方は、マスコミで報じられているとか専門家がそう云ってると主張し、もう一方は、利権関係者の言い分ばかりじゃないか、そのくらい気づけよ! とあきれる。そして自分たちで信頼できそうなデータや研究を探し出して反論する。しかし、マスコミ党はマスコミと一緒になって、そんなデータ、そんな仮説はすべてデマだと見ようともしない。ちゃんとした情報ならテレビで取り上げないはずがない、という基準で考えてる。
これでは分裂です。別世界に移り住むことが出来ればそれもいいかもしれませんが、現実には接触が避けられませんので、反感と対立がどんどん高まっていく。考えてみれば、それこそが最悪の展開ではないでしょうか。
では、どうすればいいいのか?
とにもかくにも必要なのは、分断の回避。
何が正しいのかという思考は、誰かを攻撃することを正当化してしまうという意味で、刃物のようなものです。凶器になりやすい。
最も優先すべきことは、対立した時に感じる「痛み」を抑圧しないこと。本来、誰だって誰かと対立すればこころが塞いだはずなんです。仲直りを考えたはずなんです。それが、いつしか理屈に取って代わられて、やるかやられるかだ! みたいなことになってしまっている。
ただ、気をつけなければいけないことは、それぞれの人にそれぞれの考えがあることが自然であって、統一や画一、同質が理想ではない。そうじゃなく、多様な存在が共存できる世の中にするのが理想。
そんなことを那須耕介(故人)さんの紹介記事から、教わりました。
まだ頭でわかってる段階で、どう行動していいのかイメージが出来ていませんが、やってはいけないことは一つわかりました。これが正しいと考えて、反対意見の人を敵視することです。そのあたりからかな、わたしの最初の一歩は……。
世界をつなぐ話 ソンナノ宇宙 @ohana_see
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