ああ、やられた!

タイトルは読んでいて頭に浮かんだ言葉です。
「あんたは橋の下で拾ったんだよ」というのは私も子供の頃に親から言われたことがあります笑。どういう意図で言っていたのかさっぱり分かりませんが、、、まあ私の話はさておき、この橋の下で拾ったという悪い冗談は割と一般的なもののようですが、それがこの小説のタイトルになっており、作中でも発される言葉です。

なのですが、この作品においてはそうした悪い冗談以上の非常に深い意味を持ちます。その意味を理解した時に思わず頭に浮かびました。「ああ、やられた!」

概要に書かれた「母」と「子」と「実母と名乗る女」、その3つの関係性は複雑ですが、ただ複雑なだけではありません。じゃあどう複雑なのか。それはぜひ読んで確かめてみてください。天と地がひっくり返ったような感覚を味わえるでしょう。

そしてそれゆえに話のオチの切なさが心に響きます。ゆっくりと噛みしめるように味わいながら読めば読むほど、より大きく響くでしょう。

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