第6話 エピローグ
「ルナ! ミルモ!」
家に帰ると二人は両親に抱かれた。
「ミルモ、お前はなんて無茶なことを!」
「待って、お父さん。ミルモのおかげなの」
「ミルモの?」
◇ ◇ ◇
「なるほどね」
話を聞いて父親は腕組んで頷く。
「信じるの?」
「そいつらもそう言ってるしな」
そいつらとは尾行グループの二人だ。
「すごかったです」、「まじやばい」
「だとさ。お前、そうとう強くなったんだな」
尾行グループの二人はゴロツキ共を歯牙にも掛けない強さで圧倒するルナを見たのだ。
そして今、他の仲間達が屋敷へと向かい、倒れたデブ貴族と用心棒、ゴロツキ達を捕まえに行った。
「これでもう大丈夫なの?」
「ああ。たぶん色々と証拠も出るだろうしな」
「やったね」
ミルモは喜び、姉に抱きつく。
◇ ◇ ◇
「で、どうして私は首飾りを着けてないのに声が聞こえたの?」
寝室でミルモが疑問を述べる。
『分からない』
「ん〜。それは多分、少し前にミルモが勝手にオーブで遊んだからでしょうか?」
ルナが少し小首を傾げて言う。
『遊んだ?』
「ボール代わりにしてたんですよ」
『ボール!?』
首飾りだからボールにならないはず。
「前はね。こんなボールの形だったの」
ミルモが両手で輪を作る。
「それでこの子、割っちゃったんですよ。その後、割れたオーブを首飾りにしたんです。もしかしたら、それでですかね?」
『……そうなのかな?』
「それしかないですし」
と言い、ルナは俺をクローゼットに入れようとする。
『え?』
「いえ、もう寝るので」
『なんでクローゼット?』
「使わない……ので?」
『クローゼットはやめて。自分は動けないのでずっと暗闇の中にいるのは嫌』
「それじゃあ……」
ルナはどうしようかと逡巡する。しかし、中々思いつかないらしく困り顔。
『なんなら着けたまま寝ても構わないが』
「嫌です」
即否定されたよ。
「あそこは?」
と、ミルモが提案する。
◇ ◇ ◇
俺は母屋と店を繋ぐ廊下の壁に飾られることとなった。
「これなら問題ないでしょ?」
ミルモが腰に手を当てて言う。
『……微妙かな』
人が通るので寂しくはないが……。なんか嫌だな。
「また着けて上げるから」
『頼むよ』
そしてミルモ達は寝室に向かい、夜は更けていった。
転生したら育成オーブでした。 赤城ハル @akagi-haru
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