あとがき
最初は『スティール・ライフ』ってSFシリーズの中で珍しく既婚者である黒澤当麻と、その嫁の話を書く予定だったのに大きく逸れました。ちょっといい話めで書くつもりだったのに、どこかコメディタッチになってしまった。前半と後半で、毛色が全然違いますね。
嫁である梓ちゃんは当初、地元のなんてことないギャルだったんですが、カタブツの黒澤がギャルと接点持つのに無理があって”地元の保安官”になりました。
だって黒澤さんって、酒飲まない、タバコ吸わない、ギャンブルもしない。趣味っていう趣味もたぶんないような人だよ。どうやったら女の子と出会ってロマンスが生まれるの。なので路地で人を助けるっていうベタ展開にしました。
そして同シリーズに出てくる女性キャラは、だいたい”強くて自分のポジションわかってる”タイプなので、梓ちゃんにはドジキャラ担当になってもらったら、ようやく話がまとまりました。かるーいかるーい恋バナ書きたかったんだけどな〜。
意図せず黒澤父がでてしまいましたが、そのおかげで各キャラのことがわかってきて良かったです。はっきり言って黒澤は、シリーズの主人公よりキャラ立ちしてます。
アメリカの小さな町をイメージして書きました。バージニアとかあのへん。だから保安官って書いちゃった。ちなみにメトロシティのイメージはデトロイトかな。イメージがアメリカとか海外なのに、名前が日本風っていうのもな。せめて中華風の名前だったらSFみ増したかも。
タイトルは 「ミネルヴァのフクロウは迫りくる黄昏に飛び立つ」という、ヘーゲルの「法の哲学」より引用しました。深い意味はないです。
黒澤は梓のどこに惹かれたのでしょうか。この番外編でそこを書けって話。
いまのところ彼女に魅力を感じないんですけど、あまりにドジなのでほっとけなかったんじゃないですかね。意外と律儀なんですよね、黒澤さんは。
別に仲良くない伊野田のお見舞い行くくらいですからね。超真面目な彼にとっては、女性に振り回されるくらいでいいんじゃないでしょうか。
本編にもどる。
フクロウは迫りくる黄昏に飛び立つ -黒澤当麻の話- 久納 一湖 @Kuno1ko
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