第4話 スルリ輝く
その子、自身も、もう、何処へ行けると言うことなく。
其処で、もう、いいと決めているようで。
何処へ行こうという気配など、ましてや、素振りは見せません。
諦めという言葉の、悲しさ。
滑稽さ。
屑という言葉の響き。
ポンと底に着いて、跳ねる。
コトン。
もういちど底に着地。
屑。
小さな星を、いくつか湛えたであろう心も、もう。
小さな星屑をコトンと、ひとつ。
底を這って、歩め。
励ますのは、自分。
励まされる自分は、もう、ヨロヨロと這う。
褒められても伸びなかった、いや伸びたのか、心の無いまま技術だけ。
先生とのコミュニケーションなど無かったと言える。
エレクトーンの、技術なんて削ぎ落ちて、残ったものは、なんなのか?
過去ばかり振り返り、掘り返して、それでも見つからない。
見つからないと言って見上げた。
星屑が、ひとつ、スルリと輝いた。
<了>
『星屑』 ぽふ、 @a-piece-of-harmony
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