第8話 今井の目的
近い将来、ゲームの大会が世界各国で盛んに開催されるようになるだろう。そしてプレイで観客たちを楽しませる。そんな時代がやってくると、今井は予想していた。
もう既にアメリカではゲームの大会が開かれていて、プレイヤーの一挙手一投足に何万人もの観客たちが熱狂している。それを彼は知っていたから。
だけど日本人のほとんどはまだ、その事実を知らない。素晴らしいゲームを数多く発売していて、世界から注目を集めている日本。それなのに、その国のプレイヤーは弱い。そんな風に思われたくは、なかった。
そこで今井は、準備を始めることにした。世界で戦えるぐらいの凄腕プレイヤーを集めてチームを結成する。いつでも世界で戦えるように鍛えておく。
それが、
今井は日本各地にあるゲームセンターや、開催されているゲーム大会を巡って噂になっているゲーマーを探し回った。ゲームの実力を見極めて、お眼鏡にかなう人物をスカウトしていった。
こうして集まった数十人の凄腕プレイヤーたち。20代から40代までの、確かな実力のあるゲーマーの集団が出来上がった。今井の構想にピッタリな人材が集まってくれたのだった。
彼ら彼女らには最高のトレーニングが行えるような場所を用意した。生活も不自由なく出来るように支援して、プロゲーマーを育てる環境を構築していった。
その後も今井は各地を巡り、人を探し続けた。将来が期待できる、若くてゲームの才能がありそうな10代の子。今のうちから育て始めて、10年先まで見据えた人材育成も彼の構想にあった。
しかし残念ながら、ゲームセンターや大会に出場するような子供を探してみても、なかなか見つけ出すことが出来なかった。
現在の日本は、大人たちはゲームセンターに来てゲームをプレイする。けど、若い子供たちは家庭用ゲーム機に夢中で、主に自宅で遊んでいた。だから才能がある子が居たとしても、見つけるタイミングがない。1軒1軒を回って探す、というわけにもいかないから発見には至らなかった。
若手育成については、今は先送りにしておくべきか。そう思っていた頃に今井は、とあるゲームセンターの店員から連絡を貰った。
「今井さん、貴方が探していた若いプレイヤー。見つけたかもしれません」
「なにっ! 本当かい!?」
どうやら、中学生か小学生ぐらいの若い子がゲームセンターに遊びに来たという。しかも、凄腕らしいという情報。
それが本当だとしたら、今井の求めていた人材にピッタリだ。彼は急いで偵察しに行くことにした。
そこで見つけた少年が、青木健吾だった。
【未完】プロゲーマーの世界へ キョウキョウ @kyoukyou
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