不思議な気持ち その正体は?

@tomato197775

壊れたおっさんの物語、番外編

作業所で働いている僕は今日の朝礼で言われたとある女性職員さんの退職に関して、ショックを受けている。その人とは会話のネタを持たない僕に話しかけてくれて、いろいろと指導や雑談をするだけだった。優しくて時には厳しくて良く世間話を聞いてくれた。こちらから相談したことはなかった。今の施設を利用して三年になる。

その三年で仲良くはなれたけど、人に関心を持たず、作り笑いを浮かべて、表面上の付き合いしかしない僕は、ショックを受けている。いなくなる事への喪失感や会えない虚無感でもない。もちろんその女性職員さんの恋愛感情を持った事も無い。

なのにショックを受けている。やはりもう会えない事への喪失感が大きいのだろう。

飼い猫を看取った時の感覚に似ているのかもしれない。自分勝手かもしれないがそれなりに距離感が近いと感じていたのだろう。職員さんは仕事としての義務感や責任感で接してくれていたのだろうと思う。朝のシフトと昼のシフトでいろいろなイベントを行ってくれたり、個別指導を仕切ってくれて、コロナの期間も乗り切って励ましてくれた。作業の指導と夕方のまでの事務仕事、個人の指導、生活相談など多岐にわたる仕事は大変だったと思う。そして僕は人と話していても退屈な男だ。趣味も変わっている。特に女性と仲良くなれるわけでもなく、自分を貫く信念があるわけでもない。ただ流されるだけ。いつから人への関心を持つようになったのだろう。いつから他人のためにとか、お別れの挨拶はきちんとしたいと思い始めたのだろう。そしていつから僕は他人を気にするようになったのだろう。そのことも含めてただショック受けている。退職する職員さんに幸あらん事を祈るばかりだ。そして最高の笑顔で新しい道を行く職員さんに挨拶ができればいいなと思う。職員さんに幸あんことを。

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