掌編・赤と緑

作者 柊圭介

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★★★ Excellent!!!

大晦日の過ごし方は、国ごとに、あるいは家庭ごとに様々な伝統がありますよね。
日本にも「大晦日といえば」なテレビ番組がありますが、こちらフランスでは日本から遅れること8時間、間もなく新年を迎えようというところ、テレビをつけると凱旋門のカウントダウンの様子が映し出されたようです。いかにもフランスらしいですね。
と思ったら、おやおや。赤いふたと緑のふたのカップを取り出してきました。日本通の弟いわく、これが日本の伝統だということで……。

海を渡った日本のカップ麺・ミーツ・フランス人兄弟。カルチャー・ギャップがユーモアたっぷりに描かれます。カップ麺に慣れ親しんだ日本の方にとっても、きっと新鮮に映るはず。魚のブイヨンにガルニチュールを浮かべて、Sobaの新たな魅力をご堪能ください!

★★★ Excellent!!!

おしゃれでユーモアがあって、引き込まれました。
3,993文字と短いので是非、読んでみてください。
とても技術の高い作者様だと思います。

特筆すべきは言葉選びのセンス。
語彙力、そしてそれを見事に掌編の中に生かした傑作です。

(場外参加の理由については、作者様の近況ノートに理由が書かれています。)

★★★ Excellent!!!

なんで狐で、狸なの?
ToshikoshiはSobaであるべき?Udonは邪道?
素朴な疑問を我々に投げ掛けるように、仲の良い兄弟のやり取りが進みます。

日本好きで通ぶりたい弟のジャン。
近頃お腹の出っ張りが気になる兄ピエール。
何気ない日常に、ちょっと異色なものが混じり込む不思議さと可笑しさ。

日仏文化に精通し、双方に温かい眼差しを届ける筆者ならではの掌編です。

ほんわかした柔らかい大晦日を、愉快で楽しい兄弟たちと共に味わってみてください!

★★★ Excellent!!!

「日本って国はさ、ちょっとお隣の国へ行くにも仰々しい手続きが必要なんだぜ。だから、こっちの年からあっちの年へ渡るのだって、特別な儀式があるのさ」

な〜んて会話があったかどうかは、紐解いた人だけが知っているコチラのお話。
文化の違い、ユーモラスな解釈、ウィットの効いたあるある、わかるようでわからないフランス視点のニッポン。

軽やかなエスプリを感じる、気心の知れた兄弟ならではの会話劇。
赤と緑が、兄弟二人が、違うから面白い。互いに補い合って、素敵な暮らしをしている空気を感じました。

ブイヨン!

★★★ Excellent!!!

フランス在住のある兄弟が、生まれて初めてあの「赤」と「緑」で有名な日本製インスタント食品に挑戦!

もう、二人のやりとりがめちゃくちゃ可愛いのです。
日本通で細かい弟と、出てきたお腹が気になる適当な兄。
仲良くわいわい言いながら、ようやく二つの食品が完成……さて、その出来栄えとお味は?

こんなに癒される「年越しそば」は初めてかも~。
こちらの作品、残念ながら某コンテストには不参加だそうですが、皆さまにぜひとも読んでいただきたいです。
ほっこり温まりますよ♡