汗カルピス

YoSHI

第1話 汗カルピス


今日も長風呂でいい汗をかいた。だがしかし、何故か風呂の中に甘い匂いが立ち込めている。飲食物は持ち込んでないし、入浴剤も入れてない、石鹸も変えてないし…。そう思いつつ、湯船から上がり、太ももを確認すると…


汗が白い


はっ?えっ?はっ?

一瞬脳が混乱した。まさかと思って汗を一滴手の甲に乗せて匂いを嗅いだ。


こいつだ。甘い匂いの正体は。

恐る恐る舐めてみる。この味は慣れ親しんだあの味に違いない。


カルピスだ。


おいおいおい…俺の身体はどうしちまったんだ

これじゃあずっとベタベタなままじゃないか。俺はシャワーでサッと洗い流してすぐに体を拭いた。

ともかく、絶対に汗をかいてはいけない。明日にでも病院とかに行かなきゃ…。


寝た。起きた。地獄だ。布団の匂いカルピス。これから学校に行かなければならないと思うとかなりまずいことになるかもしれない。体調不良でもないから休むわけにも行かない。

渋々制服に着替えて学校に向かった。



くんくん、あれ?香水変えた?


この幼馴染の女、すぐに気づきやがった。なんなんだマジで。


絶対変えたでしょ〜。なんの匂いなんだろ。


もういいだろ、遅れんぞ。


カルピスみたいな匂いだね。どこで買ったの?


教えたくない。というか、教えたら絶対に引かれるし。コイツにだけは…


ん?どしたよ?具合悪いの?


いや…別に…


実はね〜ウチ面白い話あるんだ〜!気になるでしょ〜!?


別に…


そう言っていつもアンタはそーなんだから〜!実はね…


結局自分から話すのかよ…


あたしの汗、炭酸みたいにシュワシュワしてるの!ほら!今かいてる汗もっ!


…!

こいつも…


最初は思い悩んだんだけど、別にいーかなって思えてきてね!


…実は俺も…


えっ!アンタも炭酸?


…いや、俺はカルピス…


…そうだったんだね…。ごめんね、さっきは無責任だったかな。


そんなことねーよ。ってか、なんでそんな悲しそうな顔すんだよ。


色々大変なんだろうなって…


…行こう。


そだね。遅れちゃう…


今日は学校休むぞ。2人で


えっ、ちょっ!



なんでよりによってホテルなのよ…


一緒に作らないか…カルピスソーダッ!


…まあ、アンタなら別に構わないけどっ!



ホテルに入った後は速かった。


んっ…本当に甘い。ずっと舐めてたい…


お前も…本当にシュワシュワしてんな…

俺はここで…今までの俺と別れるんだな。


ねぇ、早く入れてっ…


ああ。俺もこんなこと初めてだから…


汗が滴り落ちる。俺の汗とあいつの汗が混ざり合ってる。俺は必死に動いた。


ねぇ…ずっと大好きだったんだよ…


俺も大好きさ。もうすぐ…イクぞっ!


うんっ…!


俺とあいつの体はカルピスソーダまみれになってしまった。


すごく気持ち良かったね。


ああ、これからもカルピスソーダ、作っていこうな。


うんっ、約束だよ。



だけどこれ普通に奇病だし、キツいんよなぁ…

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汗カルピス YoSHI @Take-Naka

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