14話 フィクション

2021年 2月 愛神 未朝 (あいかみ みあ)


私は臆病者だ。

何も出来なくて、自分勝手で...そして勝手に心が傷ついてまたこうやって、自分のことをカッターナイフで切ることをすぐに..想像する。

私はそんなことを考えながら、ただ憂鬱なこの学校の事業が終わってほしいと願う。

だが願ったところでこの事業が終わるわけなんてない、どうせ神様とか奇跡なんかはフィクションなんだから。

奇跡は起きないからこそ奇跡と呼ばれている、だから奇癖は妖怪や悪魔のように空想の物だと私は思っている。

だって...私の前に奇跡なんて起きたことなんか無いから...もしも神様が実在していたらあの時は何とかなっていたかも知れない。

いや!もう考えるのはやめにしよう、だってもう...戻らないのだから...戻ってくる訳がない、もう私は私じゃ無くなってるんだから...もう私はアフェクシオンではない...


考えていると気づいたら事業が終わっていた。

事業が終わって数秒経つと「よっしゃっーやっっっと事業おわったー」っと横の席の名前の知らない人が急に言った。

「声が大きい...そしてうるさい、早く黙ってほしい」っと心の中の私が言っているがもちろん口には絶対に出さない。

そんなこと言ってしまえば、この学校の私のイメージが崩れるからだ....

この学校では私は『優等生』ということになっている。

案外人の心は読まれない物だ、私の心はどす黒いがそれなりに振る舞って、勉強に一生懸命な振りをすれば何とかなる。

それにもし心を簡単に読むような知能の高い人が居たとしても『消せば』いいだけだけだ。

人なんて簡単に壊せる、少し追い込めばあとは自分で消えていく。


「危ない危ない、また考えすぎた」と心の中で言いながら周りを見渡す。

すると同級生の田村さん?が私に近づいてきた。

田村さん?は「愛神(あいかみ)さん!!また勉強おしえてー!」そう言いながら私にノートを見せた。

私は「良いよ、教えてあげる。」と言い、ノートを真剣に見る。

何も書いてないと言うしかないノートだった、これは本人があまり勉強が得意ではないからだとは思いわれるが

仕方がない。「とりあえず、お昼休みの間に簡単なのは終わらせよっか」と私は微笑みながら言う。

田村さん?はそれに対して「はい!」と笑顔で元気よく

答えた。



【少しあと】


「ねえ愛神さん、ここってどうやって解くの?」と田村さんは言った

私は「ここはこうやってやるんだよ」と言いできるだけ分かりやすく教えている。

こうやって人に勉強を教えていると数年前のことを思いだしてしまう。

数年前、私に勉強やその他のことを教えてくれた、私の師匠のような人が居た。でも今はこの世から去っている

...私のせいであの人は消えた。

いや!あのことを考えるのは今はやめておこう

考えているだけでまた消え去りたくなる。


気づけば「えっと、大丈夫ですか?」と言いながら田村?さんは私の顔をじーと見ていた。

私は「大丈夫だよ、急にごめんね?」と言い、事業がもう少しで始まるので適当に言い、勉強を止めた。



【放課後】


あの後は解散し、授業を受けて気づけばもう学校は終わっていた。

今日はめんどくさい部活も無いし、クラスメイトに勉強を教える必要も無い、だから私はただ歩き、自宅へと向かう。

いつもどうりの退屈な日々..何もなく馴染めず..ただ優等生のふりをして生活していくだけ。

彼はこんな事のために私を生かした訳では無いだろう。もっと幸せになってほしいと願っていたはずだ!!

でも...私は...彼の...命を犠牲に生きているはずなのに、今も不自由な事もなく、いじめられないように生きているはずなのに。どうしてだろう...「死にたい」その言葉を私は何も考えずに呟いていた。

幸いなことに場所は郊外で周りを確認しても誰も居ない場所だった。

「良かった」と思いながらまたさっきと同じ事を考えてしまう。

死にたいだとか居なくなりたいだとか、命を失うようなことをまた、また!考えてしまう。

「もう嫌だ..」と呟いてしまうが私が苦しんで自ら消え去る未来しか残っていないのは事実だ。

「もう死ぬ、死んでやる」と呟き、バッグからカッターナイフを取り出し首にをカッターを刺そうとすると...周りが霧のような何かに囲まれていった。

まるで映画のスモークのような黒い霧が....

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アナザーエンド(旧版) ソルティ @soruteyi

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