王女様は『視る』

リリー

第1話 ー私はー


 生まれたときから、なにか知ることが出来た。だが、なにかはわからない。[読めない]から。

 私は、病弱だ。すぐ倒れていた。でも私は言の葉を話すのは早かった。病弱は相変わらず、だが。

 私は今八歳。私の名はイリア。(ノロイロ)だ。

 私は覚えていない。過去しか。まだ。

 ガチャ。

「イリア様!生誕祭ですよ!十歳になられたのですから。」

 メイドが言った。

 あのメイドは、ファリスという名前だ。え?

 十歳なのかしら。私。そうか。私、十歳。追い付いた。

 不思議と、体が軽いわ!

「そうでした!今すぐ支度しなくては!」

 支度を済ませ、会場へ向かう。

 廊下は人がいない。

 会場が見えてきた。

 会場の前に、人が立っていた。

「まあ、きれいなお嬢様!お一人ですか?」

 その人は私に話しかけてきたわ。

 綺麗な金髪に大きな二重の目。服装は少し質素だけれど。なぜ話しかけて来たのかしら。

「まだ名乗っていませんでしたね!私はリリ、でございます。」

 リリ、と名乗った女性は言った。

 金色の髪に金色の目をしたこの女性は、優しい笑顔をして言った。

「私はイリア、と言います。」

「良い名前ですね。ところで、この生誕祭がどのようなものか、ご存じですか?」

 そういえば、生誕祭とは何かしら。


「あの子には生誕祭のことはまだ早い。」

「のびのび育って欲しいねぇ。」


 わからないわ。聞いたこと無いわ。

「いえ、存じ上げませんわ。」

「ならば、ご説明しましょうか。」

「是非、お願い致しますわ。」

「では、ご説明します。

 生誕祭は、誕生パーティーという、誕生日を祝う王家の行事。貴族たちは真似するのが難しかった。そこで、ステータス開花の儀式と併合して開催されたのが始まりです。

 生誕祭は、10歳の誕生日を祝う行事でして、その時にステータス開花の儀式も行います。まあ、こんなところですかね。」

「ありがとうございます。」

「いえいえ。これが仕事ですので。では。」

 リリはそういうと、去っていった。

 なんだったのかしら。まあ、今は生誕祭に集中しましょう。

 大きなドアを通り、会場へと向かう。

「イリア様!どこに行かれていたのですか。心配しましたよ!」

 メイドが、走ってこちらへ来て、言った。

「さあ、一緒に行きましょう。イリア様。」

「分かりました。行きましょう。」

 メイドに連れられ、私は会場へ着いた。

「ここが生誕祭の会場なの。広い!」

 会場は広く、1haはあるだろう。

 私は、父上と母上のところに行った。

「父上、母上、お待たせしました!今到着いたしました。」

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王女様は『視る』 リリー @emato

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