お隣の幼女は俺を幸せにしてくれる ※洗脳注意※
蹴神ミコト
一途な女の子
「おおきくなったらけんとくんとけっこんするー」
なんて隣の家の子、古賀里美≪こがさとみ≫ちゃんに言われた。けんとくんは俺、金剛健人≪こんごうけんと≫。なお俺は小学4年生で相手は幼稚園児の5歳差。
どうせ小学校に上がればもう忘れているだろうと思い「そうだね。大きくなったら結婚しようか」なんて返してしまった。
里美ちゃんは大喜びで「けっこんだーけっこんだー!」と騒いでいたのだがそれを利用したのが里美ちゃんのお母さん。
「健人くんは好き嫌いをしない女の子が好きなのよ?」
「健人くんはお片付けが上手な子が好きですって」
「健人くんは大きな声で挨拶ができる子が好きよね?」
俺がいるときでもいないときでも、俺の名前を出して里美ちゃんを育て始めたのだ。
さすがに無茶苦茶なことを吹き込まれそうだったら止めようと思っていたけど常識の範疇だったのでまあいいかと思った。
なんなら俺も「挨拶ができる子は好きだぞー」とか乗っちゃってたし。
里美ちゃんにとっての『健人くん』は魔法の言葉で、里美ちゃんはなんでも出来る万能な子に育っていった。
片付けをちゃんとやる事に関しては小1で俺を抜いたと思う。なんてすごい子だ。
このままなら将来はデキる大人の女性になるんだろうなと将来がとても楽しみだった。
俺が中学に上がると、俺は親からこの後何年も心に残る言葉を言われた。
「里美ちゃんがあんた以外を好きになるのはいいとして、あれだけ頑張っている里美ちゃんに『なんでこんな男好きだったんだろ』みたいに言われたら嫌じゃない?」
素直にそれは嫌だと思った。別の子を好きになる過程に『俺が見限られるパターン』は想像していなかった。だって飽きると思ってたし。
幼稚園の頃の約束を小学3年生になっても心変わりしない里美ちゃんがもう強すぎる。魔法の言葉『健人くん』の魔法が長持ちしすぎである。
ん?俺のために頑張ってるからあの子成長しているんだし俺が見放されたら里美ちゃんの成長も止まるのでは?
…せめて見放されない程度に頑張ろう。部活も勉強も上位に居続けねば。
家で勉強をすることが増えると遊びに来た里美ちゃんに「健人くん勉強してるの?偉いね」って頭を撫でられた。俺ってもしかして小学3年生の里美ちゃんに精神年齢も負けてないか…?
俺が中3、里美ちゃんが小5になると里美ちゃんは一生懸命料理を学び始めた。
小5でお料理まで出来るようになったら将来イイ男捕まえられるんだろうなぁ。
「健人くん来年から高校生でお弁当でしょ?楽しみにしててね♪」
…あれ?ちょっと尽くし方がガチすぎない?
「あの、健人くん…ここまでだと思ってなかったの…里美をよろしくね…」
「いえ、魔法の言葉があってもどこかで飽きるだろうなって俺も思っていましたし…」
「私の事はこれから『お義母さん』でいいわ…」
「俺より先に陥落しないでくださいよ…」
この日、お義母さんの陥落により俺は幼女に好かれている隣の男から『親公認の婚約者』になった。
ちょっと真面目に考えないといけないのかもしれないな…ここまでがプロローグである。
俺の名前は金剛健人!高校1年生だ!
色々あって中学でしっかり勉強も部活もこなし、県内でもレベルの高めの高校(地元)へ進んだぜ!
今日は高校生活2日目だ。
「おはよう健人くん。今日からお弁当でしょ?ちゃんと愛を込めて作ってきたよ。」
家を出る時間は里美ちゃんに伝えておく義務があり、その時間は待ち合わせの時間でもある。
いやまあ、朝にお弁当作ってもらって手渡そうとしてくれるのを断るとか無いし。
「ありがとう里美ちゃん」
「ダメだよ健人くん。高校生にもなって女の子をちゃん付けするのはタラシだけなんだよ?これからは呼び捨てで里美って呼んでね。」
「お、おう。分かった里美…」
「うん、良し♪」
小6になって背が伸びた里美ちゃ…里美は一見すると中学生かギリギリ同い年くらいに見える。
呼び捨てに満足したのか里美は俺の頭を撫でまわす。ここ数年の里美の癖だ。
「はい行ってきますのぎゅー…ちゃんと腕を背中に回すのよ? そうそう。それでいいの。よくできました。」
俺が本気で逃げない限りこのまま結婚するんだろうなぁって未来が最近よく見えるんだ。
嫌じゃないけど現実味が無いというか。流れに身を載せちゃっていいか感があるというか。
「俺は金剛だよろしくな!」
教室で新しくできた友達と固まって一緒に弁当を食べる。時計回りに俺、ヤンキーに見える主席合格者の太刀川≪たちかわ≫、女の子に見える男の娘の心太≪しんた≫
パカッと蓋を開けた弁当を見て俺は固まる。覗き込んだ友達も固まる。ハートマークの愛妻弁当だった。
「おい金剛…お前彼女おるんかワレ?」
「彼女は…いないよ。色々あってね…」
『彼女?いるよ』なんて言おうものならランドセル背負った婚約者を紹介せねばならない。せめて来年ならJCなので言える、高校生とJSはさすがにマズイ。
里美は恋愛対象かって言われると微妙なラインなんだ。勉強も運動も料理もできる俺にはもったいないくらいの完璧超人で外見は1つ下くらいにしか見えなくて中身もそこらの女子より大人で──
…恋愛対象でいいんじゃないか?いやまてJSだぞ。ちょっと人生12年のうち7年俺の事が好きなだけの──
「1年後には彼女かもって感じの相手かな…」
「その時は紹介してね金剛くん」
「上手く行くことを祈っとるぞ」
おかしい…実年齢以外一切問題が無いぞ…甘やかして頭を撫でてくれるのも正直に言えば嬉しいし、実年齢がアレだけど。
JSに頭を撫でられて嬉しいなんて変態さんじゃないか。俺は違う、違うんだ。好きな子に撫でられるから嬉しいだけで…ああほんと年齢ィ!
「ただいまー」
「おかえりなさい、のぎゅー」
家に帰ると出迎えてくれたのは里美だった。どうせ家の中なら誰も見ていないので抱き返す。
「そうそう、ちゃんと手を回すの。よくできました。」
えらいえらい、そう言って里美は俺の頭を撫でてくる。あ~1つ自覚したら雪崩のように色々自覚したよチクショウ嬉しいな~
「ふふっ、顔に出てるよ。嬉しいかーうりうりー」
「あ、こら両手で顔を撫でるのはやりすぎ!」
「やめていいの?」
「……やめようか。」
「ふふっ、残念。また明日ね。」
どうしよう、ひたすら手玉にとりつづけられるのがくすぐったいような嬉しいような…
俺はロリコンじゃない。里美が子供に見えなくなっただけだ。里美の友達は小学生だと思えるけど里美だけほぼ同い年の女の子に見えるだけなんだ。ロリコンじゃないロリコンじゃない。
「あーあ、残念。もっと撫でたかったんだけどなー」
なんでこんなに可愛いの里美?クラスで魔性の女になってるんじゃないか?高校生でも落とせるぞこの破壊力。
年上としてしっかり言ってやらねばならないだろう。
「里美、それ俺以外に絶対にやるなよ?相手が小学生でも中学生でも高校生以上でも襲われるぞ?」
「襲うってなーに?里美小学生だからわかんないなー。健人くん詳しく教えて?」
「妖艶お姉さんから小学生まで使い分けるとか将来女優になれるぞ…」
どうしよ…たぶんふざけているとは思うけど実際小学生だから意味を知らない可能性あるんだよな…
こういうの余計なお勉強をしてないと知らない言葉だと思うし…教えたほうが良いのかなぁ…
そう思っていると里美は本当にお姉さんのような妖艶な笑顔を浮かべて…そっと近づいて俺の耳元で、吐息を感じるくらい近づいて――
一言、一言。俺を壊すような言葉の弾丸を放った。
「襲われるぞ、って言うけど健人くんは…いつ襲ってくれるのかな?」
いつって里美まだ12歳だろう
「来年、13歳から合意でできるんだけどなー?もちろんOKだよ?」
え、待って待ってマジで?本当に?いやでもさすがに13歳は
「1年かけて耐えられなくなるくらい、今までの甘い攻めと全然違う本気で…ぐずぐずにしてあげるからね?」
俺もう結構やばいんだけど?本気って、いやでも俺は
「好きでしょ?私に、甘やかしてもらうの?年齢なんて忘れて、私を…お姉ちゃんだと思って。甘・え・て?」
あ、甘え…あま、甘え……甘えて、いいのか?JSらしさの欠片も無いし…お姉ちゃんだと思おうと思えば割とアリな…
いやでも実年齢、実年齢は俺の方がまだ上だし…
「私の事を年下だと思ってる?もう健人くんを甘やかせられるくらい…逆転しちゃってるんだよ?甘えよ?甘えようよ健人くん」
そっかぁ…俺より里美の方が上なのかぁ……そんな気がしてきたなぁ……何一つ勝てる気がしないもんなぁ………
大人びた容姿の里美はカリスマJCモデルとして人気者になっていた。雑誌の取材で彼氏は居ますかと聞かれ彼女はこう答えた。
『大学生の彼氏をドロドロに甘やかして幸せに過ごしていますよ』と。
世の女性たちは「大学生を甘やかすとか里美さんやべー!」「ありありのあり!」「うわー彼氏さん幸せだろうな―!」なんて流れになった。
おかげ様でそのインタビュー以降、大学1年目の俺は中学3年の里美に外でもドロッドロに甘やかされ、その光景は里美の名声に変わった。「里美さん大学生を手玉に取ってるすげー!」と。
来年入籍予定だったけど法律が変わって女の子も18歳から結婚になりお預けになってしまった。
「結婚お預けじゃあ…逃さないように、もっと、もーっとドロドロに甘やかしてあげないとね♪」
イチャラブというよりドロドロ甘々なこの日々が俺はとても幸せです。
もっともっとドロドロにしてくれる、幸せをくれる素敵な彼女とずっとこうやって過ごしたい――
お隣の幼女は俺を幸せにしてくれる ※洗脳注意※ 蹴神ミコト @kkkmikoto
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