第2話

気持ちが乗らぬまま,

座席に着く.


私は,

ここに乗り込んだ.

望まざる客だ.

他にもいた.


同乗者のベクトルは

どちらへ向いてるのだろう.

本当に同じ方向なのだろうか.

形が違うのでは…

矢がお互いを傷つけるのでは…


到着は

いつになるのだろうか.

開放される時?

ゴールにたどり着く時?


ゴールは…

何処だ.

何時だ.


気持ちとは裏腹に

出発する時は出発する.

そもそも

もう,出発済みで

飛び乗った所に過ぎないのか.


もう周りは快速で

特急で,

かからないエンジンを

なだめて手を加えて…

もう遅いのか.


視線は…

泳がなかった.

一転凝視で.

獲物を捕らえる.

そもそも

獲物なのか.

私の方が

獲物なのではないか.


じっとり

汗がにじむ.


大人は3人.

未成年が1人.


とうに危機感は持っていた.

叱る事も

褒める事も

一通り

済ませていた.


何も

響かない.


虚しさも

何もかも

全て

置いてきた.


持ち歩いて

普通に暮らす事は

もう出来なかった.


ふとした時に,

置いてきた心を開いて

中を見ては,

思いが噴出し

ぶつけた.

売り言葉に買い言葉で,

ほろほろに崩れていった.


何もかも

削り取って,

感情を殺して

同じ事を繰り返す.


穏やかで

危険な

毎日を繰り返して,

何が残るのか.


思いっきり

とどめを刺されて,

笑って討ち死にだ.


あれは審判の鐘ではない.

排出する合図だ.


危機感を持つ大人は,

このまま終われなかった.

モラトリアムな

あなたは,

この幕を下ろして

駆けだしたかったのだろうか.


やる気がなくとも,

希望がなくとも,

未来が見えずとも,

方針が決まってお開きだ.


結論としちゃ,

勉強せぇよ.

この一言に尽きる.

絶対量が足りんのよ.

そのIT機器は

あなたの玩具ではない.

際限なくやっちゃ

終わりはないわな.

プロが危機感持ったら,

本当にヤバイんよ.

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つきもの 食連星 @kakumi

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