第4話 決戦

 11月27日

 北海道っていやぁ、マルちゃんのダブルラーメンが有名だ。麺通の僕は宇都宮駅からカシオペアに乗り込み、函館で降りた。

 骨肉腫という病に負けて死んだときは悲しかった。

 昼は函館ラーメンだった。豚骨や鶏ガラ等のダシに塩タレを入れた透明な塩味のスープに、柔らかめの中太ストレート麺が組み合わされる。具は、チャーシュー、メンマ、長ネギ、ホウレン草、麩もしくはナルトが一般的に使用される。

 しかし、意外なことにダブルラーメンはスーパーや、コンビニを探したが見つからなかった。


 一方、織江は釧路に来ていた。

 釧路川に沿ってSLが厳冬の湿原を疾走する。

 車内にはダルマストーブが置かれ、懐かしい雰囲気だ。車窓から羽ばたくタンチョウの姿を目撃した。

 SLは煙を上げながら白銀の世界を進んでいく。

 SLは標茶しべちゃ駅に到着した。

 書上の母方の祖父が標茶に住んでいる。

 標茶町は、北海道釧路総合振興局管内の川上郡にある町。主に富山県、長野県からの満蒙開拓団(弥栄開拓団)の引揚者が戦後多数移住した。

 書上はシラルトロ湖の畔に立っていた。

 かつては海だったとの噂だ。湖にはビッシリと氷が氷が張っている。

「やっと見つけたわ」

 織江は士気がグングン上がるのを感じた。

 次の瞬間、書上が分身した。  

「魔法使いか、何かなの!?」

 書上は幻のダブルラーメンを食べて、分身の術を操れるようになった。

 さらに書上は腕時計みたいな黒いマシンに「ジライヤ発進!」と叫んだ。

 湖に覆っていた氷がバリバリと砕け、湖底からカエルのフォームをしたロボが現れた。ジライヤは宙に舞うと、眼球の部分が赤く灯った。

 レーザー攻撃か!?織江は死を覚悟した。

 だが、ジライヤは金縛りにでもあったように動かなかった。

 ジライヤの真後ろに、鎧姿の黒いボディーカラーのロボが迫っていた。コックピットには英太の姿があった。

 英太はマンガを描くのが趣味で、ブラックパンツァーというのを描いていた。SLに乗ってるとき、赤いきつねを食べてるときに想像した。ダルマストーブがあるからお湯を沸かせた。薬缶と水を携帯していてよかった。ジライヤは相手の動きを封じる『封印』を操れた。

 巨大な剣を操り、英太はジライヤを斬った。

 不気味なカエルが真っ二つになった。

 書上は殺さずに鼻血を出すくらいにしてやった。

 コックピットから降りると織江が抱きついてきた。「キャーッ、カッコいい」  

 モテる男はツラいぜよ!

 

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ブラックパンツァー 鷹山トシキ @1982

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