第14話 第3領域

 俺とアリア、それにライムのパーティーが第2領域のボスを倒したことで、俺とアリアとライムは第3領域に行けるようになった。


 どういう仕組みなのかは知らないが、それは問題ではない。まあ、前の領域のボスを倒さないと次の領域に進めないのは『対魔神力領域(アンチモンスター・ゴッドフィールド)』の結界効果だと聞いてはいるが。


 その期にステータスをチェックすると、俺のレベルは100になっており、更に聖剣エクスカリバーの名前が変わり、神剣エクスカリバーになっていた。


 どうやら、Lv.100になるまで武器を使い続けると、武器の名が変わるようだ。特に神器級の武器だった場合などは、そりゃもう著しい強化があるらしい。


名前:金堂 勇

性別:男性

年齢:16歳

職業:剣聖ソードマスター

種族:人間

Lv.100

筋力:16000 《+3000身体強化》《+5000神剣エクスカリバー》《+2000剣聖覚醒》《+5000剣聖ソードマスターの極意》

耐久:16000 《+3000身体強化》《+2000剣聖覚醒》《+5000剣聖ソードマスターの極意》

速度:16000 《+3000身体強化》《+2000剣聖覚醒》《+5000剣聖ソードマスターの極意》

器用:6000

聡明:6000

魔力:6000 《+5000神剣エクスカリバー》《-2000剣聖覚醒》

スキル:千里眼Lv.10、解析Lv.9、気配隠蔽Lv.73、剣術Lv.100、自動回避Lv.82、痛覚耐性、攻撃予測Lv.94、剣筋補正Lv.75、打撃耐性、気配感知Lv.70、怪力Lv.100、触手、吸収、幻影Lv.23、隷属、威圧Lv.12、名づけ、身体強化Lv.100、剣聖覚醒、精神鎮静Lv.5、手加減Lv.66

称号:剣聖ソードマスターの極意、豚殺しオークスレイヤー


 で、思ったんだが……化け物過ぎないだろうか? Lv.100になった後、転職するにはギルドに行けばいい様なので転職しに行こうとは思ったが、このステータスプレート見せたら引かれるよね。


 と思っていたのは俺だけだったようで、若干脂汗を掻きながらもギルド職員は親切に転職させてくれた。俺が選んだ職業(クラス)は賢者ワイズマンだ。この職業(クラス)は、魔術が得意になるというもので、魔術関係ステータスの成長速度が二倍になるらしい。


 魔物狩りを始めでまだ一か月も経っていないのにレベルがカンストするのはゲームとしてはよくないと思うが、この世界は魔物がクソみたいに強い分、自分も強ければならない。今日は第2領域でレベリングをしよう。アリアは王宮で客に対応しているそうだ。


 ゴブリンを乱獲していたら冒険者の方から怒られた。どうやらゴブリンが湧かなくなってしまうようで、稼ぎがなくなってしまうのだと。確かに、ゴブリンは一匹25万で買い取ってもらえ、討伐賞金も5万だからな(両うまい棒換算)。そんなうまい獲物を狩り尽くされていい訳がない。


 1パーティー10人ほどで組み、1日に10~30匹狩れる。1日1人10万~30万というかなりの大金が稼げるが、死亡率がかなり高い冒険者ではそのくらい妥当と言った所か?


 兎も角、俺は持っていたゴブリンの右耳――ゴブリンの討伐証明部位で、持っていけば1つ5万と交換できる――を10個ほど渡した。因みに、討伐証明部位のトレードは公式に認められている。


 取り敢えず、オークの洞穴へ向かい、虐殺する。強さの為に殺すというのは強い忌避感を覚えるが、こちらも生き残る為に戦っているのだと自分に言い聞かせる。結局は我欲なのだが、俺はそのことを強く自覚したくなかった。ほぼ無心になってオークを狩る。


 あっという間に日が暮れ、レベルが1から30以上まで上がっていた。俺は本気で走って王宮へ向かう。暗くなって暫くすると、神都の門が閉まってしまう。それより早く辿り着きたい。


 そうしてしばらく走っていると神都の門に辿り着いた。そういえば新冒校入試も近いなと思いつつ、ギリギリ開いている門を潜り、闇色の空を眺めながら王宮へ向かう。王宮の門は既に閉まっているが、常在している王宮騎士が門を開いてくれる。俺は自分の部屋に戻り、既にベッドに入っていたアリアと共に寝た。


 今日は、アリア、ライムと共に第3領域に向かう事に成っている。第3領域に出没する魔物は基本的にオークのようなので、『対魔神力領域(アンチモンスター・ゴッドフィールド)』の結界機能をすり抜け、第3領域に入る。


「本格的に魔物の領域って感じになってきましたね……」

「そうだな。木とか枯れてるし」


 枯れた大地、赤い空、所々に見える葉のない木々。

 ここは雑魚モンスター代表のオークが生息していていい土地ではないと思う程、不気味な場所だ。この世界のオークは雑魚モンスターではないにしろ、今の俺からするとそこまで強くない。


 兎も角、アリアの背中の15メートル程先に見えるオークを殺さねばならない。アリアにオークの接近を知らせようとすると――


「ブゴォッ!」


 ――オークが視界から消え、一瞬でアリアの背後に現れた!


「クソッ、王龍剣術【王龍突】ッ!」

「王龍剣術【王龍旋回・半】!]


俺は王龍剣術で最も出だしから発動が速い【王龍突】を使い、アリアの髪を掠めながら背後のオークの左目を狙う。アリアは回転しながら周囲――360度を斬り払う【王龍旋回】を回転角度を半分に発動させる。

 俺の【王龍突】がオークの左目にクリティカルヒットし、オークが仰け反る。その瞬間、アリアの【王龍旋回】がオークの首を斬り飛ばそうとしたが、剣が詰まり、オークに刺さったまま動きが止まる。


「硬いです!」

「領域が変わったら強さも変わるのか⁉ 移動速度もとんでもなかったぞ!」

「ブゴブゴ!」


 オークは手に持った棍棒(メイス)をアリアの頭に振り下ろそうとする。俺は更にもう一度【王龍突】を放ち、棍棒(メイス)を握った拳を弾く。オークが一瞬怯んだその瞬間、アリアが【金色の王龍】を発動させ、未だオークの首に刺さっている【神剣】が金色の龍を纏って威力を取り戻し、今度こそオークの首を弾き飛ばした――

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召喚勇者の異世界攻略記 ナナシリア @nanasi20090127

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