落語の語りを小説にできないか? と前から念願していたが、すでにこちらでものにされていて感服した。斬屋のリズミカルな語りに乗って三話一気に読んだ。愉しく読んだが道楽息子が惚れ込んだ刀の描写に緊張感と迫力があってよかった。小説と落語は語りだけでなく構成も意外に似ているのかもしれない。最後の洒落も名刀の一閃のような切れ味があって、斬られた身として快感があった。楽しい時間をありがとうございます。
落語には疎いのですが、ふらっと入った演芸館で、知らん落語家さんがこの話を高座にかけてたら、当たりだったと楽しめます。笑点の後に、お気に入りの落語家さんの声で脳内再生するのお勧めです。
一気呵成に読ませる作者さまの筆の冴え。しっかり最後にオチまでついて、切れ味バツグンのお噺一席です。