地球どころか銀河滅亡の危機に瀕しながらも、淡々と冷静に会話をこなす主人公の平凡さに気持ちがほっこりします。全宇宙の支配者もどこかポンコツで、これくらい皆がゆるっとしていたら、世界はもう少し平和なんだろうな。
大学受験に失敗し、不貞腐れている主人公。不貞腐れついでに好きな人に八つ当たりしてしまい落ち込んでいます。そんなところに飛びこんできたのはミニチュア銀河とN氏を名乗る黒ずくめの男。こうして宇宙の未来は浪人生に託されたのです。壮大なスケールと細やかな描写が突拍子もない物語に奥行きを与え、いつの間にかラストでほっこりしてしまいます。宇宙の命運は日常の奇跡で決まる?心温まる不思議で素敵な作品でした。
サクッと読めて、ほんのり心温まる、ショートストーリー。身近な存在だからこそ、素直になるのが難しい。だけど、だからこそ、本当の気持ちを伝えたい。きつねとたぬきが繋いだ赤い糸(緑は?)。