屋敷にいる物


「……もしかして……迷った?」


アレ今どこここ?どこもかしこも木、木、木!嫌になっちゃうよ!もういっそのことここら全部森林伐採してやろうか……いや止めておこう。いくらゲームとは言えそんなくだらない事の為に拳を使いたくない。しかし俺は今どこにいるんだか……っと?なんだこの場所。


「うーわでっか……なんじゃこりゃ……」


屋敷があるよぉ……入ってみましょ!幸いにもガラガラどころか全体的にスカスカ。どっからでも入れるな!まぁ玄関から入りますよっと。うわぁ虫!潰すぞ死ね!あぁもうなんかもう嫌になって来た……いや虫嫌いなんだよね正直に言って。よく山で散々刺されたし……蜂とかクワガタとかカブトムシ。


「何で俺ばっかり虫に襲われるんだろうかな」


師匠だけ無視されたときは本当にキレそうになったね。しかも蜂を素手で潰しちゃったから腕が痛いのなんのもう……まぁいいや、今度こそ入りましょう。虫はもう仕方ないし虫だけに無視していこう!


「うわぁ気持ち悪いよぉ……」


ムカデとかマジキモイんだけど……最悪……しかし色々ありそうなところではあるが……よし探索しよう、そうしよう。まずこういうところでは……そう、地下が怪しい!俺が一回館に行った時も地下にヤバい奴がいたからなぁ……あいつは楽しかったからもっかい戦いたいが……ま、無理だろうな。あいつ自殺したって聞いたし……


「まま、気にしないで行くか!誰かいるか!?」


……いなさそうだな。誰も。そもそもこんなところに誰かいるってのはもう恐怖でしかないんですけど?うんそう考えるとなんだか誰もいないほうがいいような気がしてきたぞ~?うんそうだな!さて地下……あるやん!


「なんだ結構近いじゃん。早速侵入!」


うーん暗いなぁ……灯りもねぇけど俺夜目は効くんで大丈夫!このくらいの暗さなら普通以上に見えるぜ!ちなみに師匠はこれ以上に暗くても真昼と同じレベルで全部見えるってさ。以前やってのけたのは何も見えないレベルの所で銃弾を全部防いでたからなぁ……


っと、ドアだ。厳重ってレベルじゃないなこりゃ。明らかに何か……何かヤバそうなものがここにある!よーし早速開け……鍵がねぇや。


「表我流参の拳、応用『三打連みだれ』!」


これが俺のマスターキーじゃ!参の拳は三回別の所をほぼ同じ速度で殴るという奴なんだが、応用編ではその三回を一部に全て叩き込むという技である。……正直壱の拳でよくね?って言われそうだが、壱は貫通力に長けた拳でありこのような鉄のドアを破壊するのには向かないのだ。参の拳応用編は外側に大打撃を与える物なんで鉄もへこむ。


「さて中に何があるかなっと」


お?なんかケースがあるが?なんだこれ。手とか足とか色々浮かんでるが……これ大丈夫な奴?もしかしてバイオなハザードだったりしない?なんかバカみたいにデカい変な奴とかいない?そのヤバい奴タイラントとか呼ばれてない?


「……いや、目の前に凄い厄ネタみたいなのの塊があるんですけど……」


それは……触れないほうがよさげ?機械はなぁ……俺戦ってて機械は嫌いなんだよなぁ。なんかこう、完全に見極めちゃうとクソザコって言うか……いや、そんなことは無いだろうけど。しかしまぁそれ以外と言われると……本棚?がある。


「しかし本棚とはねぇ……どんな本があるんだか」


『ERROR。ERROR』


「!」


えっ何!?警備ロボット的な!?この本に触れちゃダメな奴?!……いや、そうじゃないな……多分。これはいわゆる……明確な……


「殺意!」


『BLAST』


っどアブねぇだろうが!?あの野郎撃ってきやがった!しかし今のは何だ?銃撃……には見えねぇし、銃弾も出てないような気がする、だが確実に……俺を平気で殺せるレベルの威力ではある!


『起動』


「!?」


動いた!?いや早い……!ヤッベ弾けねぇ!


「がぁっ!」


畜生腹が……いてぇ!なんだ今の一撃?!いきなり拳が早くなりやがったぞ!?畜生この機械は分からねぇ……が、強いことは確かだ。なら最大限戦ってやるよ!流石に二回目は喰らわねぇが!カウンターの右……あ、こいつ手のひらから弾丸が


_______________________


「あーっ!負けた!」


「うおっ何だ?」「なんかに負けたんだろ。……にしては荒れてるが」


クッソ何もできないで結局負けた!アレだけボロクソにやられたのは初めてだ……しかし、何度か戦えば勝てる見込みはある。……もしあいつが、同じ姿のままで、同じ条件で戦ってくれるのなら、だが……


「さてどうするか……」


「とりあえず装備品を新しくしたら?」


「それもそうだな。今の素材で作れる物は……あ?」


「よっ、カエン」


「……時?」


「おいバカ今の俺はユウコクだ!」


えっコイツ時か?この話し方の上に魔法馬鹿っぽい見た目はもう時でしょ確定だよこんなの。……っと。今はユウコクって言うんだったか。しかしなんでユウコク……あぁ夕刻だからか。


「それで装備品をねぇ……どこで作ってくれるんだ?」


「ま、とりあえずお前は一回あるところに行っとけ」


「どこだ?」


「そう……ギルドだ」

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拳法家と魔法使い(マジ)と(元)暗殺者のMMORPG~どいつもこいつもヤバい奴~ 常闇の霊夜 @kakinatireiya

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