人生のどん底のような状態で引きこもっている中、ふとしたきっかけで知ったご当地アイドル『清流ガールズ』。
アイドルなんて今の時代数えきれないほどいるけれど、次第にその魅力にとりつかれていくトクさん。清流ガールズのファンになったことが彼の人生を変えていきます。
一方、清流ガールズによって人生が変わったのがもう一人。といっても、こちらはファンというわけではありません。
エステティシャンをやっていたハナの前にお客さんとして現れたのは、清流ガールズの大野ちゃん。次第に仲良くなっていったのですが、なんと彼女から、オーディションを受けてみないかという勧めが。
アイドルオタクとしてすっかり沼にハマったトクさんと、ひょんなことからアイドルの一員となったハナ。二人の視点が交互に入れ替わりながら物語が展開させるのですが、その構成が実にお見事。
普段の活動。特別なイベント。そして、アイドルの抱える、少し暗めの部分。
ファンから見たアイドルと、アイドル本人の目線。同じ出来事でも見方を変えれば、感じ方も変わってきます。
それでいて、ファンにはアイドルが、アイドルにはファンが力をくれるという絆のようなものが強く書かれていて、トクさんもハナも、他のファンや清流ガールズのみんなも、どんどん好きになっていきます。
アイドルといえば誰を推すかというので悩む人もいるかもしれませんが、このお話も、誰を推すで非常~に悩みますが、それも嬉しい悲鳴です。
あなたは誰を推しますか?
奥さんと離婚して、一人寂しく引きこもり生活を送っていたトクさん。
エステの仕事をしながらも、うまくいかずにため息をつく毎日だったハナ。
二人の人生を変えたのはご当地アイドル、清流ガールズでした。
トクさんはアイドルオタクとして目覚め何度もライブに通い、推しアイドルを応援していく。
そしてハナは清流ガールズにスカウトされ、戸惑いながらもアイドルとして活動していきます。
アイドルとファン、二つの視点で物語が描かれるのが面白いのですよ。
トクさんは最初、推しアイドルを応援する反面、新人のハナのことをあまりよく思っていません。けどそのハナが裏で何を思い、どれだけ努力しているかが描かれていて、読者としてはハナ頑張れ、トクさん応援してあげてと思うわけです。
二つの視点で描くからこそ、アイドルオタクのトクさんにも、アイドルのハナにも共感できて倍面白い。それがこの作品の魅力なのです。
途中、アイドルの裏事情や身勝手に騒ぎ立てるマスコミ等、芸能界の汚れた部分も描かれますけど、そんな中アイドルがどう活動していくか。そしてファン達はどんな気持ちで、アイドルと向き合っていくか。
読み終わった後、アイドルとそれを応援するファン達の絆に、胸が熱くなりました。
アイドルオタクとアイドル。あなたはどっちを応援しますか?
ひょんなことから、岐阜のご当地アイドルグループ『清流ガールズ』のファンになった男性・トクさん。
ひょんなことから、『清流ガールズ』の一員としてアイドル活動することになった女性・ハナ。
二人の視点で交互に綴られていくこの構成が、ものすごくいい。
ドルヲタ・トクさんの目から見たアイドルと。
等身大のハナちゃんの目から見たアイドルと。
謂わばA面とB面が、両方見られます。
ハナちゃんがとにかく可愛いです。読み始めてすぐ大好きになりました。アイドルとしての姿も素敵ですが、素の姿も共感することが多かった。
人間関係がものすごくリアルです。外側からの評価と、内側の実情。メンバーみんな頑張っていて、みんな推したくなってきます。
そして『訳あり』なトクさん。
ドルヲタあるあるのリアリティはもちろん、『推す』ってこういうことだよなぁと実感しました。推しがいるから生きる希望を持てるということ。彼にもまた、すごく共感しました。
ご当地アイドルを主軸にして、トクさんとハナちゃん、二人の人生のターニングポイントを描き切ったお話でした。
最後めちゃくちゃ泣きました。
ものすごく良かったです。みんな読んでー!
アイドルって何なんだ。
ただの可愛い女の子、というだけじゃない。
人に頑張る理由を、毎朝おきあがるモチベーションをくれるものです。
テレビの向こう、PCのかなたにいるはずのアイドルが
「ご当地」とつくだけで、手が届きそうな距離に来る。
届くか、届かないか。
手が届いてほしいか。届きたくないか。
絶妙な距離感のなか、ファンの心理・アイドルの裏事情が
丹念に描かれていきます。
推しがいる生活は、色と匂いがついているようなもの。
ぜひ、がんばるご当地アイドル「清流ガールズ」と ドルヲタになっちゃったトクさんの物語を楽しんでください。
読後、推しが欲しくなるよ、ぜったいにね(笑)
ひょんなことからご当地アイドルの一員に加わったハナと、別のメンバーを応援していたトクさん。
それまで会うことがなかった二人が、アイドルという共通のものをきっかけに繋がっていきます。
アイドルらしいキラキラとした世界だけではなく、地道な努力や人知れず抱える悩みについても丁寧に描かれています。慣れないステージやファンとの交流に、戸惑いながらも奮闘するハナの姿は応援したくなります。もちろん、他のメンバーも魅力的で推したくなる子ばかり。清流ガールズの活動を、温かく見守っていきませんか?
ハナとトクさんのそれぞれの視点を味わえるので、舞台の裏側を見ているかのようなワクワクとした気持ちになれますよ。
【草むしりから始まります】人生のどん底にいた女の子ハナ。同じく人生のどん底にいた引きこもりのトクさん。二人はなんとなく(?)、それまで興味もなかったアイドル&アイドルの追っかけを始めます。
良い点(個人的感想です)。どこにでもいる女の子『ハナ』が、アイドルになっても変わらない目線で波乱の日常を捉えているところだと思います。そのおかげで、読み手はアイドルグループに体験入団したような気持ちを味わえます。(トクさん視点で追っかけも体験できます!)
典型的なシンデレラストーリーでもなく、アイドルだからと尖らせたキャラや展開もない。人間模様のハラハラドキドキをストレートに楽しめます。
とてもお勧めの一作です!
駆け出しのアイドルハナちゃんと、アイドルヲタクのトクさん。この二人の視点が交互に出てきて、エピソードを多角的視点で楽しめる仕掛けがあります。視点固定だと、読者にとっては、もどかしいことも多いですが、これですと、二倍楽しめるので、つい続きが読みたくなりました。
アイドルの裏側は、相当シビアですし、ファンはファンで、色々な思いを抱えているんだなと気付かされます。
何かに夢中になったことのある人なら、「わかるわかる」と共感できるのではないでしょうか?
まだ序盤。これから、ハナちゃんと、トクさんがどんなふうに絡んでいくのか、楽しみです。
ご当地アイドルである『清流ガールズ』のファン二人の話しです。
まずはトクさん(男)は清流ガールズにもの凄い勢いで引き込まれて行ってしまい、今後のストーリーでその人生すら変わっていきそうな感じがする人間。
次にハナちゃん(女)も清流ガールズにはまったおかげで人生激変しそうな感じがする。
ご当地アイドルという微妙な立ち位置のアイドルですが、個人の人生に働きかける影響力は無限大。
推しがいる人生は輝いてさえ見える。
読んでいて、清流ガールズのプロ根性を垣間見るとこちらまで清流ガールズのファンになってしまいそうで。
清流ガールズのビジュアル、誰か絵にしてくれないかなぁ!? とか思っちゃったり。