アイドルにはファンが、ファンにはアイドルが力をくれる!

人生のどん底のような状態で引きこもっている中、ふとしたきっかけで知ったご当地アイドル『清流ガールズ』。
アイドルなんて今の時代数えきれないほどいるけれど、次第にその魅力にとりつかれていくトクさん。清流ガールズのファンになったことが彼の人生を変えていきます。

一方、清流ガールズによって人生が変わったのがもう一人。といっても、こちらはファンというわけではありません。
エステティシャンをやっていたハナの前にお客さんとして現れたのは、清流ガールズの大野ちゃん。次第に仲良くなっていったのですが、なんと彼女から、オーディションを受けてみないかという勧めが。

アイドルオタクとしてすっかり沼にハマったトクさんと、ひょんなことからアイドルの一員となったハナ。二人の視点が交互に入れ替わりながら物語が展開させるのですが、その構成が実にお見事。

普段の活動。特別なイベント。そして、アイドルの抱える、少し暗めの部分。
ファンから見たアイドルと、アイドル本人の目線。同じ出来事でも見方を変えれば、感じ方も変わってきます。

それでいて、ファンにはアイドルが、アイドルにはファンが力をくれるという絆のようなものが強く書かれていて、トクさんもハナも、他のファンや清流ガールズのみんなも、どんどん好きになっていきます。
アイドルといえば誰を推すかというので悩む人もいるかもしれませんが、このお話も、誰を推すで非常~に悩みますが、それも嬉しい悲鳴です。

あなたは誰を推しますか?

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