鋭い着眼点とリアリティに満ちた語り――これはただの“転生モノ”ではない

現代社会を舞台に、そして「電車」という無機物に転生した主人公から語られる「体験」は、わずか2,500字という短さながら大変濃密なストーリー性と感情表現が込められていて、読後はまるで一人の人間の生涯に並走したような満足感が得られます。

作中で、「『転生モノ』は妄想ではなく、実体験にもとづく話なのかもしれない」と言及されているのですが、まさに本作が“本当にどこかであった話なのでは”と思わせるような説得力と魅力があります。

ただの「転生モノ」ではない『転生鉄道は語る』、ぜひみなさんに読んでいただきたい作品です。

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