第3話 まだ日常

第二話 まだ日常






「...であるから、...こうなる。」




「ふぁ~あ…」




俺は口に手を当て小さくあくびしながら前でしゃべっている男を見ている。




男は俺の通っている学校の教師である。


今は数学の授業をしている。




「眠い…退屈だ。」


誰にも聞こえないぐらいの声で俺はボソッと言う。




俺は教室にある時計を見る


午後2時30分


俺はげんなりした表情でつぶやく




「後、20分もある…」




俺は机に左肘を置き手で顎を支えた。


その状態で顔を窓の方向を向きグラウンドで体育の授業をしていたのでその光景をボーっと眺めていた。




ボーっとしていたら俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。




「...月!、おい神月 庵!、聞こえているのか!」




気のせいではなかった。


俺は男の教師に顔を向ける。


男は直ぐに話かけてきた。




「ずいぶんと余裕だな?神月!、先生の授業は退屈か?ええ?」


男が退屈か?と聞いてきたから俺は


「はい!退屈です。」


と正直に答える。




周りでクスクス笑う声が聞こえる。


男は顔がタコみたいに真っ赤になり口をピクピクさして話しかけてくる。




「ほぉ~、じゃあ今から先生が黒板に問題を書くからそれに解答できたら今日のことは許してやる。」


俺は


「わかりました。」


とだけ答える。




男は黒板にチョークが折れる勢いで力強く問題文らしきものを書いている。


男が書き終わると、こっちに振り向き口を開く




「さあ、神月!前に出てこの問題を解いてみろ!」


周りが黒板を見てざわつく。


男は腕を組み顎を上げ二やついている。




俺は席を立ち「ふぅ」と軽くため息をつきやる気なく黒板へ向かう。


俺は黒板の前に立ち問題文を見る。


隣で男が話しかけてくる。




「どうした?ほれ、早く書け!」


とニヤニヤした顔で話しかけてきたのだ




俺は少しだけ顔を男に向けたが直ぐに黒板に顔を向けチョークを手に取り問題の解答を迷うことなく黒板へ書いていく。




解答を書き終えて俺は男の方へ体を向ける


周りがまたざわついた


男は口を開け眉をピクピクさせている


俺は男へ訊ねる。




「先生?書けましたが、どうですか?」


と訊ねる。


男は、ハッとなり俺を見て直ぐに俺の書いた解答へと目を向ける


男は体をワナワナさせてこちらへ振り向き口を開く




「ぐっ、せ、正解だ…」


と答えた。




俺は男へ背を向けて


「じゃあ、俺は授業が終わるまで好きにさせてもらいますよ。」


と言い放ち、左手を頭ぐらいまで上げ、手をヒラヒラさせながら席へ戻った。




好きにするとは言ったものの授業終了まで残り10分ぐらいしかない。


寝るにしても中途半端だと思い仕方ないのでまたグラウンドをボーっと眺めることにした。




ボーっとしていたら「キーンコーンカーンコーン」


授業終了のチャイムがなる。




チャイムが鳴り終わると男の教師がしゃべりだす。


「え~本日の授業はここまでとする。ここまでの授業内容はテスト範囲となるのでよく予習復習するように。」




男はしゃべり終えると教室から退室していく。


男がいなくなると教室にいる生徒が各々動き出す。


放課後なので部活に行く者、寄り道して帰ろうと雑談しながら帰る者と様々だ。




俺も帰る準備をしていると、二人の男子生徒が俺に近づき話しかけてきた。


「よう、ヨウ、YO、YOU今日もスカしたイケメンだな!」


(ラッパーか?つまらん)


などと思っていたらもう一人も話しかけてくる。




「庵!こいつはほっとけwww、でもお前ほんとスゲーよな。」


「ほんと、ほんとよくあんなの解けたな!」


「あれって、なんの定理だったけ?ら、ら、ラングドシャ?」


(お菓子か!?)と心の中でツッコミをいれてしまう。




「ラグランジュの定理だよ。」


俺は何の定理か教える。


「そうそれ!ラングランジュ!いやぁ、俺ハズカシ~。」


ワザと言い間違えてるのか?と思いながらもう一人が話題を変えて話しかけてくる。




「というわけで!、庵お前に頼みがある!」


ど言うわけだ?話の流れ的に勉強を教えてくれとかか?




「実はな、今日駅前のカラオケ屋で合コンするんだけどメンツがたりなくってさ。」


違った!俺はため息が出た。


「はぁ~、悪いけど他を当たってくれ。」


俺は断ったがしつこく頼み込んでくる。




「そういわず頼むって、イケメンのお前がいなきゃ話題が盛り上がらないんだよ!」


「そうそう!俺たち親友だろ?」


はて?俺はこの二人とそこまで仲がよかっただろうか?


などと思いつつ嘘ではないが俺は行けない言い訳をする。




「マジで悪いけど、今日は俺家庭の事情で帰らなきゃいけないんだ。だから今度誘ってくれよ。」


家庭の事情などと言う理由で言い訳してみた。


すると


「う、う~ん、まあ家庭の事情じゃ、しょうがないか、な?、じゃあ今度誘うときは絶対こいよ!」


渋々引いてくれたみたいだ。




「ああ、また今度な!」


約束はできないがとりあえずそう言っておけばいいだろう。




「じゃーな!」


二人は諦めたかのようにそう言って教室から出ていく。




少し時間を無駄にした気がした。


俺も教室から出る。


少し廊下を歩いていると、俺の双子の妹栞しおりが前から歩いてくるのが見えた。




「あら?庵今帰り?そのまま帰るの?」


栞が正面に立ってそう聞いてきた。




「ああ、そのつもりだ、栞も帰るのか?」


とこちらも聞いてみる。




「ううん。今日は部活の助っ人を頼まれたからそっちを手伝って帰るつもり。あと蒼汰と蒼華も部活の助っ人で呼ばれた!って言ってたよ。」


俺たち兄妹は基本帰宅部だがたまにこういった部活の助っ人を頼まれることもある。




「そうか、わかった。じゃあ俺は先帰るぞ!」


「ん!了解」


そんなやり取りをし俺たちは離れ、俺は学校を後にする。






学校から家に帰って直ぐに俺は家の真向かいにある道場へと足を運んだ。


この道場は俺たち神月家の道場である。




道場に入り俺は道着に着替え道場の真ん中で正座し瞑想する。




5分程瞑想し終わると俺は立ち上がり[神月流古武術]の体術一式から六式の型を一つ一つ繰り返し動作の練習を行った。




練習中に後ろから声がしてきた。




「精が出るな。」




俺は声がした方へ振り向く。




声の主は兄さんだった。




「兄さんか、別にただ練習したくなっただけだよ。」


俺は汗を拭ってそう答えた。




「どうだ?久々に俺が個人稽古付けてやろうか?」


兄さんが腕まくりしてニコニコしながら聞いてきた。




確かに兄さんとの練習は久々な気がする。


だが、兄さんはスパルタだ!


兄さんは正直少し子供っぽい所もある。


ここで断れば兄さんは拗ねてしまう、かと言って受ければ俺がタダではすまないスパルタが待ち受けている。




(どうする俺?、どうする俺!)


心の中で葛藤し俺は決心する。




「お、お手柔らかにお願いします。」


逃げ腰で答えてしまった。




「よし!道着に着替えてくるから待ってろよ!」


兄さんは嬉しそうに更衣室に向かって行った。




(ああ、やっちまった。俺生きて家に戻れるかな?)


俺はうなだれて兄さんを待っていた。




俺たちの使う神月流古武術は少し特殊で体術の他に剣術、槍術など様々な武術を行う。


その中でも俺は体術と剣術を得意としている。




兄さんは、いや、兄さんと姉さんはその中でも全ての技を使え、俺たち兄妹、誰一人として二人に勝ったことがないほど最強なのだ。




そんな最強とこれから個人稽古をする。


一般人がもし兄さんと稽古をすれば死人が出てもおかしくない!


もし生きていたとしても、二度と兄さんと稽古したいと思わないだろう。




身震いしそんな事を考えていると兄さんが着替えて戻ってきた。




「ん!待たせたな!、じゃあ稽古始めるか!」


どうやらやる気マンマンみたいだ。




俺たちは道場の真ん中に移動し一礼する。




「「よろしくお願いします!」」


二人同時に挨拶をする。




「じゃあ、まず始めに軽く相手して受けてやるから攻撃してみろ。」


兄さんが手でコイコイと合図してくる。




俺は間髪いれず兄さんの懐へ飛び込む!




「おっ!」




懐に入った所ですぐさま神月流 体術弐式 華月かげつを兄さんの胸へめがけて放った。




兄さんはそれを読んでいたためか直ぐに横に半歩移動し手で俺の攻撃をいなしてよけた。




「う~ん、おしいね~」


兄さんは余裕そうにしている。




だが、そんな事はこちらも予測していた事。


すぐさま俺は振り返りながら足を上げ兄さんの顔面めがけて神月流 体術六式 翠月すいげつを放つ。




バンッ!




俺は一瞬なにが起きたかわからなかった。


俺は兄さんの後ろで倒れている。




「わかりやすい動きだぞ!、庵。」


兄さんの構えを見てみた。


そうか、俺はあの技で返されたのか。




「玖式…っていうか兄さん受けるとかいいながら攻撃してんじゃん!」


愚痴を言い放つと




「にっしっし、受けるとは言ったが攻撃しないとは言ってない!」


こんな所で子供っぽい言い訳を!




「ああ、そうです・かっ!」


俺は立ち上がって直ぐにまた兄さんの懐に潜り込む。


[華月]の構えをした。




「また、その技か?」


兄さんが呆れ声をする。




(いいや違う!)


俺が[華月]の構えを解きさらに腰を低くして構えを作る。


神月流 体術伍式 焔月ほむらづきを放つ!




「っ!」


兄さんが一瞬ひるんだようにように見えた。


(捕えた!)




だが兄さんはニヤッとした。




「残念、それも読んでたよ!」


兄さんは技が当たらないギリギリで避ける。


そして、避けた瞬間、カウンターで[翠月]を放ってきた!




「ぐっ!」


俺もギリギリでガードする事ができた。




「おお~?、やるじゃん!」


(よく言うこっちはガードした腕が痺れたんだから。)




「さて!、こっちも体が温まってきたことだし、次からは俺からも攻めるぞ!」


その言葉を聞いて俺は、(ヤバいっ!)と思い後ろへ飛び移った。




「遅い!」


飛び移ったと同時に兄さんも俺の懐に飛び込んでいた。




ドゴッ!


「っがふっっ!」


鈍い音と共に俺は嗚咽する。




俺は[華月]を喰らっていた。


[華月]は下からミゾオチへの掌底で相手を浮き上がらせる技だ。


そう、俺は今浮き上がっている。


[華月]の真骨頂は浮き上がらせた相手へ追撃で他の技へ繋げる事ができる技だ!




(ヤバいっ!次がく...)


と思い込んでる束の間、兄さんは[翠月]の構えをして追撃してくる。




[翠月]は簡単に言えば回し蹴りである。


だが普通の回し蹴りとは違い踵で相手のこめかみに向かって蹴るため下手をすれば脳へのダメージで重症する恐れもある。




ガッッ!


俺は浮き上がった時すぐにガードの構えをしていて防ぐ事が出来た。


そのためなんとかダメージは最小限で済んだものの浮き上がった状態の為、俺は横に吹き飛んでいった。




「がはっ!」


俺は壁まで吹き飛び壁に激突し受け身が取れなった。




(はぁっ!、はぁっ!、くそっ!、どこが稽古だ!}




俺は壁に激突したダメージでうつ伏せで息を切らしている。




「どうした?もう終わりか?」


兄さんが倒れている俺に話しかける。




俺はフラフラになりながら立ち上がる。




「すぅ~~!はぁ~~!」


俺は息を整える為に深呼吸する。




「ふぅ~~。」


俺は息を整え兄さんを睨みつける!




「お!まだ、やれそうだな?」


兄さんが構える。




(兄さんに一泡吹かせたい!)


そんな事を思い俺は近くの壁に掛けてある木刀を取る。




「ん?次はそっちで攻めてくるのか?、いいよ、かかってこい!」


兄さんはまた手でコイコイと合図する。




「じゃあ、行くよ!」


俺も構える。




そして俺は踏み込み一気に兄さんの間合いまで詰める。




神月流 剣術壱式 霞月かすみづき!




兄さんは避ける。


だが俺も攻撃を止めない!


怒涛の技を繰り出す。




神月流 剣術肆式 無月むげつ!




神月流 剣術七式 月魄げっぱく!




「まだまだ!」


そして俺は最大技の構えをする。




神月流 剣術奥義 海底撈月かいていろうげつ!!




怒涛の連続技により床が破損しそのせいで下の地面から砂埃が辺りを舞う。




「はぁ!、はぁっ!」


俺は肩で息をしている。




「...これでも、駄目か…」


砂埃が晴れ、俺は目の前を見て落胆する。




目の前にはまったくノーダメージの兄さんが立っている。


兄さんは怒涛の連続技、全ていなし避けたのだった。




「危なかったぞ。」


(よく言う涼しい顔してるくせに!)




「じゃあ、これで終わりにするぞ!」


そう言って一瞬で俺に間合いを詰められた。




そこで俺は記憶を失う。


気を失う瞬間俺は愚痴を零した。




「ほんとうに、どこが稽古だ!」…






俺は目を覚ます。


どのくらい気を失ってのだろうか?




「気が付いたか?」


隣で兄さんがこちらを見て座っている。




「…。」


俺は天井を見上げ黙っている。




「どうだった?久々の俺との稽古は?」


と兄さんが聞いてきたので俺はイヤミっぽく答える。




「そうだね、一方的にボコボコにするって名の稽古を久々に思い出したよ!」




ふいに兄さんは俺にデコピンしてくる。




「あいて!」


俺は額を押さえて兄さんを見る。




兄さんはニヒッ!っと笑う


そんな兄さんを見てどこか憎めないと思いお互い黙ってしまう。




少しの間静かな時間が流れる。


俺は寝っころがったままだ。




そんな時、兄さんが口を開いた。




「庵、学校はどうだ?退屈なのか?」


兄さんは前を向いて話しかけてきた。




「どうだろう、わからない。」


俺はそう答えた。




「そうか。」


兄さんは何か察したのかそう答えた。


それ以上兄さんは何も聞いてこなかった。




俺は起き上がって所々痛む箇所を押さえながら立ち上がった。




「イテテっ!」




「おい!無理するなよ!」


兄さんが心配そうに言ってくる。




「誰のせいですか!だ・れ・の!」


俺は皮肉っぽく答える。




そんな時、兄さんがふいに抱き着いてきた。




少し驚いた。


兄さんと姉さんは昔から俺たち兄妹に抱き着く癖があった。


まるで親が子を可愛がるように。




でもなんだろうか今回はいつもと違って何処か寂しさを感じさせるようなそんな違和感を覚えた。




俺は抱き着かれた事を思い出し気恥ずかしさで兄さんを引っぺがした。


兄さんを見ると何処か儚げで寂しい表情をしていた。




俺は、この時まではまだ弟離れが出来ない心配性なんだなと軽く思っていた。


本当は別の意味での事とは、その時まで知る由もなかった。




兄さんは俺が見ていた事に気づき、少し焦って表情を変え




「あっ、ほら、もうすぐ夕飯の準備の時間になるし、着替えて戻ろう!」


兄さんはまだ焦っている感じで話しかけ来た。




「ああ、うん。」


俺はそう返事したがやはり何処か違和感を感じた。


杞憂であればいいと思っていた。




そんな事を思いながら俺たちは着替えて家に戻ろうとしていた。




家に戻り、リビングへ向かうと兄妹皆揃っており全員が夕飯の準備をしている。




俺が帰って来た事に最初に気づいた蒼華が驚いた。




「ちょ!イオ兄!、どうしたのその顔!?」


う~ん、確かにちょっと顔が腫れあがってきてるかも?




蒼華の声に気づいた姉さんが俺をみて少し青ざめる。


姉さんがエプロン姿でパタパタと俺の方へ急いでくる。




心配そうな顔で聞いてくる。




「どうしたの?そのケガ?、ケンカでもしたの!」


こちらを見つめてくる。




俺は顔をそらし


「ああ、違う違うこれは、兄さんと稽古してただけだから!」


と答える。




そしてフイに今度は姉さんが抱き着いてきた。




俺はドキッ!とし戸惑い


「ね、姉さん?」


姉さんを見る。




姉さんは俺の胸に顔を埋め


「もう!心配させないで!」


少し怒っているのだろうか?そう答える。




だから俺は


「だ、大丈夫だから、心配しないで!」


と答える。




そんな光景を四人の弟達がみてこちらにやってくる。




四人の弟達はニコニコしながら




「ほら、蒼唯姉様、本人が大丈夫って言ってるんだから早く離れて!」




「そうそう、こんなケガ、ツバつけとけば治るよ!、ね、庵兄!」




「庵兄ちゃん!、何嬉しそうにしてるのかな?」




「庵兄ちゃん?、嬉しそうだね?」




四人はそう言ってニコニコしながら、なんと俺の足のスネを小突いている。




「イテッ!?、ちょ!?、お前ら!」




姉さんはそんなやり取りに気づき俺から離れ


ニッコリした表情で


「ふふっ、大丈夫そうね、安心したわ。」




そんな表情を見た俺たち五人は


(マジ!天使!)


惚けて思った。




「蒼唯?、夕飯の準備終わってるんだから早く食べようぜ。」


横から兄さんが割り込んでくる。




五人はこの時


(邪魔をするな!)


と五人全員が心の中で一致した。




「ああ、そうね!、じゃあほら皆席に付いてゴハンにしましょ。」


姉さんが皆に席へ着くよう促す。




俺たち皆席へ移動し椅子へ座る。




姉さんが手を合わせ


「それじゃあ、今日も皆が元気?…だったことで、いただきます!」


と姉さんが唱和する。






そんなこんなで、今日一日の俺たち兄妹のよくある日常が終わろうとしている。




姉さんが抱き着いてきた時、兄さんと同じ何処か寂しげな感じがした。


そんな一抹の違和感を覚えながら俺は唱和する。




「いただきます!」








第二話  まだ日常    完




第三話   天才     続




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

兄妹みな神様になりました 戒入 三佑 @81321013

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ