第4話
「月神!起きろ!」
部屋に寝転がっていた月神の顔を踏み砕いた。
「火車さん。起こすにしても限度ってものがありますよ」
月神は踏み砕かれた頭を押さえて答えてきた。それでも、少し嬉しそうな顔でこちらを見つめてくる。
俺は月神の腹を蹴った。ぐぇっ、と月神はオエツを漏らす。
相変わらずこいつは腹が立つ。夢魔は焼かれた程度で死んでしまった。やり過ぎて肉すら残らなかった。仕方なく灰を飲み込んだ。味気無い苦味が口の中に漂っている。
「今日は血は無しだ。俺も食いそこねたしな」
「それは、自業自得では?」
やはり、月神は始めから起きていたのだ。癪に障る。久しぶりにあれをやるか。俺は月神の腹に手を当てた。
「火車さん、、それはちょっと、、辛いんですが」
「知るかよ」
俺は手に力を込めて月神を焼き始めた。夢魔にやったのと同じ様に。
地獄巡り 月神の日常 あきかん @Gomibako
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