第2話
俺は。若きカウンセラーである。身長170cm、体重65kgの平均的な体型と平均的な顔立ち。ある点を除き、ごく普通のカウンセラーである。
突然だが、野菜は好きだろうか?多くの子供は、Noだろうか。しかし、大人になると野菜嫌いは減るだろう。ある程度経験を積むと野菜に慣れるからだ。
俺はそういう理由でカウンセラーをやっている。
※
「今日はありがとうございました。また今度来ます。」
「わかった。またおいで。」
しばらくして、彼女のカウンセリングが終わる。彼女は机においたメガネを拾い、向日葵の顔のまま部屋を出ていった。
時刻は11時50分、昼休み。少し空腹を感じる時間帯。コーヒーを一口飲みこんだ後、ドアをあけひっそりと廊下に出る。廊下には白衣の男が数名、昼食をとろうと繰り出していた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
細い廊下で同僚から挨拶。凍るような冷たい表情。
お互いにリスペクトのない、そんな挨拶を交わしていく。
一部の同僚に俺は嫌われているらしい。僕は幼い頃から人の気持ちを読むのが下手だった。その癖して、カウンセラーなんて仕事をやっている。そんな自分を認められなかったのだろう。
そんな人間でもカウンセラーになれる、時代なわけだが。
眼の前の笑顔の上に見える憎悪をさけ、逃げるようにコンビニへと向かう。いつもどおり、大手食品メーカのカップ麺を手に取った。
向日葵と眼鏡 @_mol
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