妄想 学校
仲仁へび(旧:離久)
第1話
目の前では先生が、うんたらかんたら、呪文だか歴史の年表だか、偉人の伝説だかよくわかんない事を言ってる。
でも、私は妄想にふける。
だって、妄想するの大好き。
色んな事を妄想するのって、とっても楽しいよね。
妄想の中では想像力が全て。
想像力さえあれば、なんでもできるのが良いんだ。
学校の勉強とかやってらんねーぜ。げへへっ。
妄想の中なら、空だって飛べるし、魔法だって使えるし、無敵にだってなれる。
すばらしいよねっ。
はぁ、想像したものが本当になる。
なーんて、そんな力があればいいのに。
「ならば、我がその力を与えてやろうか?」
えっ、何。
今の声って。
頭の中にひびいてる。
「我は神様だ。そなたのたくましい想像力を見込んで、特別な力を授けてやろう」
本当?
これって、私の妄想とかじゃないよね。
「否。これは現実である。さぁ、受け取るがいい」
うわぁぁぁ、何だか力がみなぎってくる気がするぅぅぅ。
今なら何でもできそうだよ。
よーし。
魔法を使ってみるぞ!
ふわふわ。
うわぁ、空飛んでる。
すごーい。
えいっ。
ぼわっ。
炎も出せる。
魔法使ってるー!
他には何ができるかな。
うーん、ちょっと疲れてきちゃった。
少し眠って、またあそぼっと。
すやすや。
むにゃむにゃ。
今日から私は、最強の魔法使いだぞー。
「そこの生徒、教科書を読みなさい。って、○○さん、起きなさい。寝てないで。授業中ですよ」
「うん。むにゃ? さっきまで空飛んでたのに。まあ、いっか、魔法使い美少女戦士の私の時間、続きだ!」
「ちょっと、○○さん。何やってるの! 窓から外に出ようとしないで。ここは4階よ」
「だいじょびだいじょび先生、今の私なら何でもできる子だから」
「言ってる意味が分からない! ちょっと誰か、他の先生きて! うちのクラスの妄想たくましい生徒がまたおかしくなったわ!」
妄想 学校 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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